清(嘉慶期)、嘉慶帝が秋分に着用した薄い藍色の綴織の朝服
衣服類
総丈148cm， 両裄218cm， 袖口 17cm， 裾幅172cm
北京故宮博物館蔵
月白色〔薄い藍色〕の朝袍は清朝皇帝の礼服のひとつです。秋分の日の夜，皇帝は必ず月白色の朝袍を着用し，西郊の夕月へ出向き，祭月〔月を祭ること〕の典礼を行ないます。皇帝が多忙あるいは病気の時には，他の官吏を派遣しました。
皇帝の朝袍は全部で四色，すなわち明黄・藍・紅・月白色がありました。これは皇帝が一年の四季の節令，たとえば孟春〔陰暦の正月〕・孟夏〔陰暦の四月〕・春分・秋分に，それぞれ地壇・天壇・日壇・月壇において祭礼を挙行する際に着用する朝袍の色です。
この月白色の緙絲〔手織りで模様や文字を織り出す中国特有の絹織物， およびその織り方〕朝袍は織が均密で整然としており，また色彩は生き生きとしています。襟飾りと袖はともに石青色で，金の縁取りがあり，襦子地で裏地をつけて袷仕立てにしてあります。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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