清(乾隆期)
清朝中期の后妃が冬に着用した平常着の一種
衣服類
総丈144cm． 両裄180cm，袖口18cm，裾幅122cm
北京故宮博物館蔵
この袍は，清朝の后妃が内廷で来客と面会する際に着用した，礼節的な平常者の一種です。先の袍の刺繍と同様に， 製作工程が大変手の込んだものです。藕荷色〔赤みがかった浅紫色〕の繻子地に，彩色絹糸を用いて，多くの刺繍技法を集約させ，八組の花籠を刺繍しています。花籠の中には牡丹，梅花，茶花〔寒椿〕などのそれぞれ異なる花が挿され，間に小花の折枝を飾っています。文様の多彩さで，祝う雰囲気を一層もり立てていす。花文は豊富でデザインも巧妙であり，主題は明快で，色彩は鮮やかに調和しており，裾の海水江崖の模様がそれを効果的に引き立てていま。そのうえ刺繍の技術が精巧で，美的感動を与えます。この袍は，清朝中期の特徴をよく表わした作品です。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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