清(同治期)
慈禧皇太后（西太后）が慶弔事に着用した龍文様がある明黄色の吉服
衣服類
総丈146cm，両裄188cm，裾幅123
北京故宮博物館蔵
明黄色の地に金色の龍と五彩の雲と蝙蝠が全身に刺綿された袷仕立ての龍袍です。龍袍は特別な式典の際に礼服として着用された丈の長い服で，規定に従って龍文が配置され，皇帝と皇后のみに着用がゆるされました。したがってこの明黄色の龍袍は，皇后の礼服の一種で，袷であることから春と秋に着用されました。
龍袍には三つの種類があり，全身に模様を施した龍袍と，八つの団龍文がついて裾に波涛文のない八団無水龍袍と，八つの団龍文がついて裾に波涛文のある八団有本龍袍があります。形状は，丸首で襟がなく，右袖つけね部分が上前合わせで，袖口は馬蹄の形をした「馬蹄袖」となり，襟は大襟（右前合わせ）で金色の五つのボタンがついており左右両裾にスルットが入っています。出所：『紫禁城の后妃と宮廷芸術』

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