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蔵経洞出土経巻2 2007年09月08日(土)更新
【和:ぞうきょうどうしゅつどきょうかん】 |
【中:Cang jing dong chu tu juan】 |
晋・南北朝>彫刻・書画>蔵経洞出土経巻2
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『妙法蓮華経』化成喩品第七
北朝
長66cm、縦25cm
甘粛省敦煌県莫高窟第17窟出土
敦煌研究院蔵
化城喩品の残巻。全部で40行、1行19~21字で同じでない。行間は大部分1.6cm、天、地各1.2cm。どの紙も長さ40.8cm、25行書かれている。行間の罫が非常に不規則で、明らかに薄い墨で書いたと思われる。
紙は比較的厚いが、いわゆる「単抄晒」法(二重の湿紙を一緒に畳んで乾燥させる、厚い紙をつくる技法)の痕跡が見られない。15倍の顕微鏡見ると、繊維の切り口ではなく、繊維組織の状況が分からない。これは潘吉星氏が言うように、「紙の表面に澱分の糊をさっと引いてある」のかも知れない。紙にははっきりとした表、裏があり、石臼等でひいてつや出しをした可能性が強い。切り口から見て、紙の繊維は細かく、皮紙ではないかとも思われる。これは科学検査を待たなければならない。
この経巻は土地の廟から出土した文物である。時代は北朝であろう。経を現在すでに刊行された「大正蔵』と照合すると、以下いくつかの相違点が見られる。①「時彼衆中」を「而彼衆中」、②「師子座」を「師子坐」、③「願垂納受」を「願楽納処」、④「善哉見諸仏」をまちがって「菩哉見諸仏」、⑤「世尊未出時」を「世尊未出世」、⑥「常行不善時」を「常行不善事」、⑦「仏為世間眼」をまちがって「仏為世間明」とし、⑧「超出成正覚」を「超出成政覚」、⑨「無量劫曹法」を「無量結集法」、⑩「婆羅門」を「披羅門」として、その中の③、⑥⑨は『添品妙法蓮華経」と一致する。その文は『大正蔵』第9巻の24~25頁にある。
原本と写本を照合して見つけたまちがいは3ヵ所あり。ごく短い11行の中に5ヵ所もまちがいがあるとは、この経を写した者の粗っぽさと不敬な態度がうかがわれる。出所:『敦煌・西夏王国展』図録
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