考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

銀鍍金荷葉形双魚文杯 2007年11月24日(土)更新

銀鍍金荷葉形双魚文杯

【和:ぎんときんかようがたそうぎょもんはい
【中:Yin du jin he ye xing shuang yu wen bei
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀鍍金荷葉形双魚文杯

唐・9世紀 
鍛造
1975年西安市城建局交出土
長13.8cm、幅7.2cm、高8.2cm、重89.5g
西安市文物保護考古所蔵
 荷葉すなわち蓮葉をモティーフとした杯。内底の中心に火焔宝珠が立体的に打ち出され、その周りに、鯰のような長いひげをはやした2尾の魚がめぐる。鏨使いや文様の形態から、唐代晩期の制作と考えられ、法量や形式からすると、酒器の類かと推測される。
蓮は生命力や豊かさ、宝珠は富貴あるいは豊穣、魚は、発音の類似から余に通じ、「有余」つまり余裕のあることにつながる。また、蓮と魚が組み合わされて、「連年有会」(連と蓮の音通、豊かな年が続く)の意ともなる。制作当初からこのような意味が込められていたかどうか、厳密には明らかでないが、鴛鴦や石榴などと同様、いずれも吉祥(めでたいしるし)に関係することはまちがいなかろう。往昔の器物を目にする場合、そこに表現された文様の意味合いにも留意する必要がある。底裏に、楕円形の接合痕があり、もとは圏足を備えていたことがわかる。同形で同じ文様の遺例が知られ、一見、奇抜に思えるような意匠をもつこの種の杯も、当時の定形のひとつとして、時の人々に愛好されたようである。出所:「唐皇帝からの贈り物」

関連情報

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.