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大克鼎2007年11月29日(木)更新
青銅製
高93.1、口径75.6
西周・前11~8世紀
潘達于氏寄贈
上海博物館蔵
清朝末期の光緒十六年(1890)に、陝西省扶風県法門寺付近で発見された大型の青銅器で、重量は201.5キログラムに達する。下膨れの身に、二つの耳と三本の脚が付く。口縁の下に獣面紋を三組めぐらし、その下に波曲紋を巡らす。脚の付け根には獣面紋をつけている。身の内壁には、290字からなる長文の銘文が鋳込まれている。銘文は細い凸線による長方形の格子の中に、 一字ずつ配されている。
銘文の内容は、大きく二つの部分に分けられる。前半は、周王に仕えた克という人物が、自分の先祖である師華父が西周の共王を助けて政治に貢献したことと、現在の同工が師華父の功績を忘れず、克を王命を伝達する重要な役目に任じたこととを述べる。後半は、王が克を召して克の任務を確認し、あわせて礼服・土地・奴隷を賜わったことと、克がこれを記念して、師華父を祭るために立派な容器を作ったこととを記している。
克が仕えた周王は、これまで西周第十代の厲王とする説が一般的であったが、近年になって第八代の孝王とする説が現れた。銘文から、克の家族が代々周王に仕え、周王から土地や奴隷を与えられていたことがわかる。西周時代の社会の情況を記録した貴重な資料である。
大きく堂々とした器形と、大振りの力強い紋様、整った文字による長文の銘文を合せもつ、古代中国の青銅器を代表する作品の一つである。出所:「上海博物館展」
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