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銅棺 2007年12月26日(水)更新

銅棺

【和:どうかん
【中:Tong guan
春秋戦国|青銅器>銅棺

戦国初期
青銅
棺長2m 幅0.62cm 通高0.82cm 重257.lkg
1964年祥雲県大波那出土
 雲南省博物館所蔵
 葬儀用具。棺の本体は直方体で,屋根は八の字形に傾斜しており,下には足がついている。全体は高床式の建物のようである。7枚の銅板を組合せてつくられており,解体することができる。両側の長い外壁と屋根には,びっしりと雷文が鋳出されている。妻側の1枚の横壁の中央には,大きく口をあけた虎と豹が1匹の猪を奪って喰おうとしている場面が鋳出されている。そのほかに,飛びかう鷹が7羽,燕9羽と水鳥,馬,虎などの動物がいて,粗さと細かさとが適度に按配され,優美な図案を形成している。もう1枚の横壁の構図もほぼ同じであるが,ただ動物の種類が多く,鹿と竜のような4本足の怪獣がいる。
中国では,完全な形の青銅製の棺は,いまだにこれ1つしか発見されておらず,雲南の青銅器時代の銅器の中では最大のものである。銅棺の屋根の1枚は面積が12,400㎡ぁり, このような大型のものを鋳造するためには,強度も高く通気性にもすぐれた鋳型が必要である。そうでなければ,とけた金属を流し込んだ時にこわれてしまい,また流し込んだあと, うまく排気がなされない。このような性能の鋳型があったとしても,なお鋳造には注意が要求される。まずいくつかの熔鉱炉と坩堝で同時にとけた青銅をつくり,そのあと銅液を急がず遅れず,連続してとざれずに鋳型の中に注ぎ込まなければならない。この銅棺は,戦国時代初期の雲南の鋳造技術が相当高度な水準に達していたことを反映しており,また当時の治金の手工業の工場がすでに比較的大規模であったことを十分あらわしている。出所:「雲南博物館青銅器展」

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