考古用語辞典 A-Words

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螺鈿紫檀阮咸(模造)     2008年07月08日(火)更新

螺鈿紫檀阮咸(模造)
【和:「らでんしたんげんかん
【中:「Luo tian zi tan ruan xian
隋・唐・五代|彫刻・書画>螺鈿紫檀阮咸(模造)

紫檀、螺鈿
長101.8cm、幅38.5
原品:唐または奈良時代・8世紀(模造:明治32年(1899)制作)
原品:正倉院宝物(模造:東京国立博物館)
  阮咸は円形で平らな胴に長い棹をもつ四弦楽器。中国晋時代の竹林七賢の1人、阮咸がこれを愛好したことから、その名をとって呼ばれるようになった。
この阮咸の原品は、天平勝宝8年(756)の『東大寺献物帳』に「螺鈿紫檀阮咸一面緑地画捍撥納紫綾袋浅緑臈纈」とあるものにあたり、主に紫檀材をもって作り、螺鈿で賑やかに飾り、胴の中央に緑青地に樹下人物を描いた革製円形の撥受けを貼る。描かれた人物のうち女性の1人は阮咸を弾いており、正倉院宝物中にはこの他にも「螺鈿紫檀五絃琵琶」や「金銀平文琴」など、楽器にそれを演奏する人物を描く例がみられる。
胴の背面には、中央に複雑な唐花を据え、そのまわりに瓔珞を銜えた一双の鸚鵡を螺鈿で表わす。螺鈿は羽などの細部を精細な毛彫りで表しており、花心や翼の一部など随所に朱や緑青の伏彩色を施し、琥珀や玳帽を嵌める。このような手法は、「螺鈿花鳥文八花鏡」のような出土した唐時代の螺鈿器にも通じる。またこの阮咸にみられる精巧かつ華麗な装飾は、華やかな正倉院宝物として有名な「螺鈿紫檀五絃琵琶」と双璧をなすものである。出所:『遣唐使と唐の美術』

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