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合子(1) 2008年07月10日(木)更新
金
高3.7、径8.2
陝西省西安市何家村出土
唐時代・8世紀
陝西歴史博物館
もと「合子2」の銀製合子の中に納置されていたもので、この器の中にはさらに砂金126gが入れられていた。金銀は、不老長生を得るための薬剤である丹薬などを保存するのに適すとされ、中国古来の煉丹術においても珍重された。また、砂金は、丹薬とともに、不老長生に効果があるともいわれ、実際に服用されていたふしがある。いずれにしても、このような金製で文様のない容器は、煉丹術ないし医術と密接な関わりがあり、唐時代におけるこの方面の実態を示唆する貴重な資料となっている。日本にはこうした煉丹術やそれに用いる容器ひいてはそれにつながる道教の教えなどはあまり伝わらなかったようであるが、唐の都におもむいた遣唐使の一行は、当時流行していた煉丹術の実際をじかに目にしていたはずである。
器表に文様がないことから、いたって簡素な印象を受けるが、純度の高い金という非常に貴重な素材がふんだんに用いられた最高級の器で、唐時代盛期の豪奢な気風が反映されている。なお、蓋の内面に、「六両一分」という墨書が残っている。出所:『遣唐使と唐の美術』
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