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紅色織金坎肩 2008年07月30日(水)更新
【和:こうしょくしょくきんかんけん】 |
【中:Hong se zhi jin kan jian】 |
明・清|絹・衣類>紅色織金坎肩
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清代の皇后、皇妃が着用した上半身だけの袖のない普段着
清・光緒年間(1875-1908)
著丈:60.5cm 肩幅:38.0cm 裾幅:75.0cm
赤い地色で、仕丹と卍を組み合わせた文様と暗八仙文(8人の仙人が持つとされる8つの器物)を織金(金色の糸で織ること)で織り表わした繻子地の袷仕立ての坎肩(袖のない上着)である。次肩は清代の皇后、皇妃の宮廷衣装のなかでも最も種類が多い。坎肩は大坎肩と小坎肩とに分かれ、小坎肩のなかに大襟(左前あわせ)、対襟(前ボタン式)、琵琶襟(襟が琵琶の形のように湾曲しているもの)、一字襟、裾が弧状をなすものなどがある。この紅色織金坎肩は「―字襟」にあたり、前が横一直線に開くことからこの名がある。この種の坎肩は本来は男性専用で、主に軍の高官が着用していたために「軍機(軍事)坎肩」とも呼ばれた。この服は非常に巧妙な作りになっている。前後をボタンでとめる形であり、これを便袍の下に着ている時に暑くなった場合には、便袍の下に手を入れてボタンをはずすだけで坎肩を脱ぐことができ、便袍を脱ぐ必要がない。まさに独創的な工夫というべきである。この坎肩の織りは細かく手が込んでおり、模様には荘重な趣がある。仕立ては品月色(薄い藍色)の平織の絹を裏地とし、赤い繻子地に牡丹と卍の文様及び晴八仙文が織り表わされている。「禄」の字をあしらった銅地に金鍍金製のボタンがあわせて13個あり、このことから一字襟式の次肩は清代には俗に「十三太保」(太保は古代の官職名)とも呼ばれていた。この服は皇后、皇妃の春秋用の服である。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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