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紅色高底靴(女性用) 2008年07月30日(水)更新
【和:こうしょくこうていくつ】 |
【中:Hong se gao di xue】 |
明・清|絹・衣類>紅色高底靴(女性用)
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皇后、皇妃たちが用いた底の高い靴
清・道光年間(1821-1850)
靴高:4.5cm 靴底高:12.5cm
赤い繻子地に刺繍を施した底の高い女性用の靴である。高底靴(底の高い靴)は、皇后、皇妃たちが用いた靴の一種である。満州族はもともと中国東北地方に起源し、冬は雪が多いことから女性たちは裾を汚さないように底の高い高底靴をはいていたといわれる。清朝では入関以後(1644年に中国の東北地方から万里の長城の東端にあった関所である山海関を通って中国本土に進入して以後をさす)も満州族の風俗習慣は受け継がれ、季節を問わず高底靴が愛用された。高底靴には布だけのものと綿入れをしたものとがある。この靴をはくと、せまい接地部分が足の中心に来て不安定なために歩みにつれて体がゆれ、そこにまた女性らしい風情があった。靴は赤い繻子地に絹の色糸で蝙幅、桃、古銭の模様が返し縫いで細かく刺繍され、底は木製で白い布で包んである。靴に施される模様には玉蘭(はくもくれん)、萱草、蘭花、菊花、霊芝、仏手柑、蝙蝠、蝶、寿字などがある。また模様には寓意や諧音(縁起のよい意味を表わす漢字と同音の言葉)によって富貴、吉祥、長寿などの意味が込められている。
この靴には「福寿は綿々として長く久しく、福は眼前にあり」との意味が込められている(福は蝙蝠の幅と同音、桃は長寿を意味し、靴の前方に蝙幅があしらわれているので福=蝠が眼の前にあるの意)。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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