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刺繍夾衫 2008年12月18日更新
元
身丈58,裄53.5cm
1976年内蒙古鳥蘭察布盟チャハル右翼前旗巴音塔拉元代集寧路故城遺跡出土
夾衫(あわせの上衣) の地は経糸4本の綟組織の紫の無紋羅。前襟の上部は同裂の羅で,領と前襟の下部は文の紗でそれぞれ縁どり,前襟に2個,花形の紐(ボタン)がある。裏地は淡色の絹。その刺繍の技法は現在の蘇州刺繍の繍法に似ている。
夾衫の刺繍の文様図案は99個にも達し,大小さまざまだが,両肩と胸の部分には大きな文様が配されている。最大のひと組は立っている鶴と飛んでいる鶴の一対の鶴を主題とし,鶴のまわりに波,荷葉,うす桃色の蓮花,霊芝,野菊,水草,芦,浮雲をあしらっている。刺繍はこのほか,鳳凰,野兎,角鹿,蝴蝶,双鯉,亀,鷺鷥、草花類として,牡丹,蘭,霊芝,百合,朝顔,竹葉等々があり,さまざまな角度からその姿が表現され,就中牡丹花はその最たるもので,花が正面を向くもの,仰ぐもの,背を向けるもの,横向きのもの,まことに生気にあふれている。最も注目されるのは人物を表現した図柄である。蓮池の柳の木の下に腰をおろして,池の水に戯れる鴛鴦を見つめる女性。楓の木の下にもたれて座る頭巾の男性。山の楓林の中を驢馬に乗り鞭をふりあげて駆ける女性。このほかに湖舟の図がある。 この夾衫の刺繍は技術が特にすぐれ,内容も豊かで多彩である。出所:中国内蒙古北方騎馬民族文物展
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