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青磁鉄斑瓶 2008年12月29日更新
【和:せいじてつはんへい】 |
【中:Qing ci tie ban ping】 |
宋・遼・金・元|陶磁器|>青磁鉄斑瓶 |
龍泉窯
元時代・14世紀
高さ:27.2cm
酒井家旧蔵
頸を絞りラッパ状に開いた口とゆったりと張った胴を持つ瓶。高台畳付きは胴を削って整えてあり、露胎のため赤褐色に焦げている。きめ細かい灰白色の胎のうえに、暗褐色の鉄斑文を散らし灰青緑色の釉が厚く施されている。鉄斑文は釉が乾かないうちに塗られたもので、この鉄斑文青磁を「飛青磁」と呼ぶ。主に日本に向けて生産されたもので日本各地に伝世している。中国国内用にも作られており台北の故宮博物院に収蔵されていることからもわかる。技術的な観点から言うと龍泉窯の釉は石灰アルカリ釉〈石灰ソーダ釉〉のため粘り気があり、失透性の釉をかなり厚くかけられるようになった。このため刻花のような文様は透けて見えるといった装飾効果が期待できなくなったため、むしろ青磁龍虎瓶のような堆塑や高浮き彫り、またはこの飛青磁のような釉上に模様を加えるといった技法が代わって用いられるようになった。半透明や不透明の釉になるのは焼成温度が比較的低めの、1250度程度の還元炎によるものである。これらの青磁を焼成した窯は南方地方独特の龍窯で、龍泉窯の位置する浙江省や、福建省で発展してきた窯形式である。
出所:中国陶磁の至宝-デイヴィッド・コレクション
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