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蒙古族服飾 2009年1月12日更新

蒙古族服飾
【和:モンゴルぞくふくしょく
【中:Meng gu zhu fushi
面白テーマ|絹・衣類|>蒙古族服飾

中国北部の美しく豊かな大草原には,勇猛精悍で,騎射の術に長じていることで知られる蒙古族が住んでいる。人口は266万人あまりで,大部分が内蒙古自治区に住み,残りは遼寧,吉林,黒竜江,甘粛,青海,新彊などの省・自治区に分布している.
そのほか寧夏,河北,河南,四川,雲南,北京などの省・市・自治区にも少数ながら集居もしくは散居している。内蒙古自治区に住むモンゴル族は男女とも蒙袍(外側に着る長い着物)を着るのがならわしである.丈が長くゆったりしていて,長袖で,裾の両脇は開けない。蒙袍にはいろいろな色があるが,よく見かけるのは赤、黄,濃紺,鉄色などである(ふつう緋色のものは着ない。この色はかつて喇嘛僧しか着用できなかったからである).袍の裾まわりには,種々の色の縁飾りが縫いとられていて, これに赤や緑の絹の腰帯をしめると,いちだんと映える。男は多くが帽子をかぶり,女はいろんな色の絹や布で頭をつつむが,冬には円錐状の皮帽子もかぶる。やわらかな皮のブーッを好んではき,それには,手のこんだ模様が施こされていて, 靴先がそり上がり騎馬に便利である。 こういう伝統的な衣裳は,牧畜地帯の自然環境と遊牧生活に適したものとなっている。
農業地区や半農半牧地区では,農作業をするため,服装も少し違ってくる.長い袍を着るほか短い上着にズボン姿や裾の両脇の開いた袍も見うけられる.ブーツはあまりはかず,ふつうの靴を好んではく。男はやはり帯をしめているが,女は帯をしめなくてもよく, このため「布斯貴渾」(帯をしめない人)と呼ばれている。
女性の服装には,ふつう既婚と未婚の区別がある.たとえば,内蒙古の阿拉善旗(旗は行政単位で県に相当)では,娘は胴着を着ることができないが,嫁はかならず者なければならない.ノアー・スタイルに既婚と未婚の区別があるところも少なくない。
女性の髪飾りは種類が多く,地域によってそれぞれ異った趣きがあり,いたって華麗である。内蒙古の錫林郭勒盟(盟は行政単位で,省における「地区」に相当)の髪飾りは精巧にできており,頭の上にはトルコ石,瑪瑙でつくった箍のようなものをのせ,額には珠をつないだ髪飾り,左右の鬢には真珠を房のようにたらす。鳥蘭察布盟の髪飾りはシリンゴ一とほぼ同じである.伊克昭盟の女は好んでお下げを結い,と瑪瑙でつくった髪飾りを,前と両側に房のようにたらす。祭りや祝いごとがあると,女たちは美しく着飾り,頭いっぱいに飾りものをつけ,華やかで,しかも落ち着いた感じを与える。ここでもうひとつ,家古相撲の衣裳にもふれておこう.相撲はモンゴル族の人びとにひろく親しまれているスポーツで、試合の時,選手たちはみな特別あつらえの相撲着をつける.上は銀で縁どりし,模様を施した革製の胸の開いた半袖上衣に、色とりどりの帯を何本もしめ, 下に五色のまだら模様の灯籠ズボン(下端をゴムでくくったズボン)をはく.古代の騎士さがらの勇姿である.
雲南省に住むモンゴル族の服装は,ほかの地区のモンゴル族とは著しく違う。ここの女性は長袍を着ずに,短い衣服を着る。上衣は三枚重ねで,一枚は肌にじかにつけるもので袖丈は手首まである。まん中に着るのは,身丈がももまで達し,袖丈まで.外に着るのは,衿なし袖なしの丈が腰まである前合わせのチョッキで,打ち合せのところには銀ボタンが一列つけられる。外から見える衿,袖,腰囲りにはすべて刺繍と縁飾りが施される.これは内蒙古に住むモンゴル族の服装とはかなり違うが、縁どりの紋様や上着の高い衿などに,やはりモンゴル族の伝統的服飾の特色をみることができる.出所:中国民族服飾1981
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