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蔵族服飾 2009年1月12日更新
【和:チベットぞくふくしょく】 |
【中:Xi zhu fu shi】 |
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蔵族は人口およそ345万人で,その居住地は広範囲にわたっているが,中国西南部の美しく豊かなチベット高原にもっとも集中しており,ほかに青海,甘粛,四川,雲南などにも分布している。
チベット族の服装は独特な様式をもち,民族色がきわだっている.各地域に住まうチベット族の服装には共通した特徴もあるが,自然条件,労働形態,生活方式が違うので,地域により服装にもはっきりした違いがある。またかつては社会的な地位によっても服地、装飾品がかなり異なっていた.
チベット族の服装の基本的な仕立ては, ゆったりとしていて,袖が長く,体の右側でかさね合わせることである。色彩と紋様などに現れた逓増と比率のきまり,特に色帯の逓増と比率のきまりはチベット族の服装で多く使われており, きわだった芸術的特徴を具えている.牧畜地帯では男女を問わず「巴察」とよばれる毛皮の裏をつけた長衣を着る。一般民衆が着ているのは手織りの洋毛布(チベット語でプ(毛+普)ル(毛+魯)で仕立てた衣服である.農作地帯の男は,衿の高い,右前合わせの長衣を着,袖は指先より30センチくらい長く, 裾丈は足の甲より10センチあまり長い,ボタンなしである。着る時は丈が非常に長いため,衿を頭にかけておいて腰帯をしめ,それから肩におとす。片袖だけを通し,もう一方をうしろにひき,右肩をぬくのが習わしである.働くときは長い両袖を腰のところでしばって,双肩を出してもよい.四川省に住むチベット族の男は一般に,冬は毛皮の裏をつけた上着,夏は(毛+牟)(チベット産の厚い毛織物の一種)で仕立てた単衣の上衣を着る。前者の毛皮の裏をつけた上着(皮襖)の衿,袖,衽には豹の皮や赤い布でへりをとってあり,金持ちは獺の皮でへりをとるものもいる.
農作地帯の女の多くは,色あざやかな,和服のように衿の広い,袖の長い腰までの長さの肌着をつけて,黒いプ(毛+普)ル(毛+魯)の長いチョッキをはおり,色ものの帯をしめる.成人した女性は細い色縞の入った前掛けを腰にしめ,上品で酒落ている.甘粛省のチベット族の女性用の毛皮で裏をつけた長衣(皮袍)は豹皮で幅広く縁どりされている。その着方も独特で,帯は背中で結び,結び目の残りを長く腰にたらす。青海省のチベット族の女性用皮袍の多くは赤や黒の色帯もしくは豹や獺の皮で縁どりされている.帯のなかには幅が一尺あまりもある赤い繻子の帯もあり,腰から裾まで全部をおおってしまう。
よく見かける成人になった女性の髪型は,二本のお下げを結い,真紅と青緑,朱と群青, ピンクとブルーといった対照的な色の毛糸とお下げをより合わして頭にぐるぐる巻いたものである。「巴珠」と呼ばれる髪飾りがあり,一つは三角に近い形をしていて,チベット地区のラサー帯で用いられ, もう一つは弓形をしていてシガツェーー帯で用いられ, どちらも頭にかぶる.ふつうの女性の「巴珠」は珊瑚がいくつかついているだけだが,裕福な家の「巴珠」は珊瑚,瑪瑙,真珠が散りばめられていて,いたって豪華である.青海省のチベット族女性の髪型は非常に特色がある。額の中央から分けた髪を無数の細いお下げに編んで背中じゅうに等分にたらし,そのお下げの先端を一つにより合わせるので,背中がまるでお下げの網におおわれたようになる。またなかにはお下げを結んだ先端のところに10センチメートル幅の宝石の飾り帯をつける人もいて,一種独特の趣きがある.雲南省中甸地区のチベット族女性は,三本のお下げを頭のうしろにたらし,布ハンケチで頭をつつみ,帽子をかぶる.なかには三層に分けて百本あまりの細いお下げを編み,それを太い一本のお下げに編む女性もいる.
四川のチベット族女性の髪型はたくさんの小さなお下げを編むものもあれば,二本のお下げのもある.男性は一本に編んで弁髪を頭の上に巻くか, またはおかっぱのように短く切る。男女とも羅紗か皮の帽子を愛用し,銀に珊瑚をはめた耳輪,腕輪,指輪などをとりわけ好み,「呷鳥」と呼ばれる銀製の仏箱をお守りとして胸につける.チベット族の服飾は豊富多彩で,農作地帯ではおもにプ(毛+普)ル(毛+魯),牧畜地帯では皮革を使って衣服を縫製し,男女とも赤や緑のプ(毛+普)ル(毛+魯)チベット靴をはく.牧畜民は自分でつくったやわらかい皮の靴をはく。出所:中国民族服飾1981
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