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布依族服飾 2009年1月14日更新
【和:プイぞくふくしょく】 |
【中:Bu yi zhu fu shi】 |
面白テーマ|絹・衣類|>布依族服飾 |
布依族は中国の少数民族のなかでも人口の制合多い民族の一つで, 172万人いる。その主な居住地である貴州省の南部と西南部は,雄大な山並み,水の急な渓流,生い茂る樹木と,景勝の地である。風おだやかな日うららかのときに,壮観な眺めで知られる黄果樹の大瀑布の下に立って, ドオッーと流れ落ちる白絹のごとき滝の飛沫が,花びらをあしらったろうけつ染の長いスカートをきたプイ族の娘の花傘にふりかかり,本気で虹にが立つのを見ると,あたかも神話の世界に入りこんだような気分にさせられる.
神経が細かく手先の器用なプイ族の娘は,刺繍とろうけつ染が得意だ,身に色とりどりの「しおれぬ花」をあしらった彼女たちは,いよいよもって嫋やかに見える.プイ族女性の服装にはほぼ二つの型があり,一つは脇合わせの上衣とズボン, もう一つは襞のたくさんついた長いスカートである。
貴州省南部の鎮寧の扁担山一帯の女性は,向かい衿の短い上衣を持,襞の多い長いスカートをはく.上衣の衿元,肩まわり,袖口にはさまざまな模様の刺繍とろうけつ染で縁どりされている.スカートは襞のたっぷり入った裾のゆったりしたもので,白布に藍で柄を染めあげたろうけつ染で仕立てられている.いっぱいに花があしらわれているが, けばけばしくなく, 落ち着いている.髪飾りは未婚と既婚で違い,嫁入り前はお下げを頭に巻きつけ,刺繍をしたスカーフをかぶる.結婚すると,竹の外皮で枠をつくり,それを黒布で包んで箕のような形をした女ものの帽子―――「仮殻」をかぶる。
仮殻といえば,プイ族の興味ぶかい習俗が思い出される.プイ族にはむかしから「不落夫家」(通い婚)の風習があって,花嫁は婚家で婚礼の儀式をすませると,その日のうちに実家に帰ってしまうこともあれば, 介添人といっしょに二晩三晩泊ってから帰ることもある。 一般に, 大とは同居しない. 毎年農繁期になるとしばらく人の家に住み, 1-2年後, なかには7~8年たってからやっと婚家に移り住む。鎮寧の扁担山地区ではまた仮殻をかぶる過程を経なければ,新妻は婚家に落ち着けない.仮殻をかぶるのは.ふつう結婚後1~2年のあいだの8月と9月で,このとき婿方の女ふたりが, 仮殻と鶏一羽を携えて, こっそり花嫁の家を訪れる。そして花嫁の不意を襲い,抱きかかえて,無理やりお下げを解いて仮殻をかぶせるのである。もしただ仮殻をかぶせただけで,お下げが解けなかったときには, 日を改めてまたやり直さなければならない。仮殻をかぶったときから,花嫁は実家での生活に終止符をうち, 人とふたりで新家庭を築くことになる.
扁担山をのぞく他の地域のプイ族女性は,大多数が袖の広脇合わせの上衣を着,長いズボンをはく。上衣のなかには丈が膝まであるのもある.腰には各種の模様や草花を刺繍した短い前掛けをしめ,黒か格子縞の頭巾を巻き,先のとがって上にそった刺繍つきの靴をはく。これらの人の衣服の衿。衿元,袖とズボ裾には色あざやかなテープが縫いつけられ,俗に「欄干服」と呼ばれる.
プイ族は男も女も菅笠をかぶるのが好きで, 雨よけ,日よけ用としての実用的な価値のほか,生活に彩りをそえている。有名な平塘.独山地区の菅笠は,1センチメートル幅の15本の竹片を千五本あまりに細く割って編んだもので,内側に,黒と竹色で文字や花を図案化したものが編まれていて,とても手がこんでいる。
出所:中国民族服飾1981
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