考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

侗族服飾 2009年1月14日更新

?族服飾
【和:トン族ぞくふくしょく
【中:Tong zhu fu shi
面白テーマ|絹・衣類|>侗族服飾

働きもので聡明な侗族は人口110万人あまりで,おもに貴州省,湖南省,広西チワン族自治区に分布している.各地により服飾も異なるが,民族色ははっきりしている。 男性の多くは向かい衿の短い上衣を着るが,右前合わせの衿なしを好む人もいる.頭は長い布で幾重にも大きく巻く。女性はボタンのない,和服のような衿を脇で合わせる上衣に,スカートかズボンをはく。腰帯をしめ,布で頭をつつむのが習わしである。トン族は自民族の衣裳を愛し, とりわけその民族服の色調を大事にする。一般的に,黒,青(藍),濃紫,白の四色が好んで用いられ,黒と青は春・秋・冬に,白は夏に,紫は祭りの日に多く用いられる.
女性のスカートには季節にかかわりなく,黒がよく使われている。色の組み合わせにはとても気をつかい,先にあげた四色の一つを基調にもう一つの同系色を配し, さらに別の対比色で飾りをつけ,配色の主従がはっきりしている.このため全体の色調が明快で, しかもしっとりと落ち着いている.洛香のトン族女性の旧正月における装いを例にとると,青い衿なしの上衣に黒いスカート,その内側に縁どりのしてあるもう一枚のスカートをはく。腰には空色の前掛けをしめ, うしろに青と白のリボンに鮮やかな赤の絹のしごき帯をたらす。赤のしごき帯は青と白のリボンによく映え,配色の妙をしめす。
クロスステッチなどの刺繍は, トン族のあいだに世々代々受けつがれ,広く民間に普及している。娘たちは七,八歳のころからクロスステッチなどの刺繍を習いはじめ,成人になるころにはすっかり熟練の域に達して,下絵なしに思うままに刺せるようになる.図柄や模様は梅,桃,オンナカズラ,野菊,卍字花など草花が主で,幾何学模様もいくらかある.これらのクロスステッチは白や黒の布地に,色絹糸で刺され,構図はしっかりとしていて対称性を帯び、色調もあざやかで、生活の息吹きを感じさせる。一般的な刺繍はふとんカバー、靴、おぶい紐、胸あてなどに多く見られ,図柄や模様はやはり花,鳥,魚,虫などで,新鮮で生き生きし,力強い健康さに充ちている。
トン族の錦織りも評判が高く,清代の書物である『黔記』『黎平府記』には「棉錦」と記されている。棉錦は白糸を経,藍糸を緯として, これ花木や禽獣が織りこまれたものもある.クロスステッチなどの刺繍やトン錦, トン布,柄帯などが、愛情を伝えるあかしとしてトン族の娘たちにしばしば使われているのは, なかなか興味深い。婚約のときには,娘たちがこれらの物を贈るのがしきたりである。それは真心と手先の器用さを示すものとなっている.
トン族の女性は銀の首輪,腕輪,耳輪,花簪などをよくつけ、細工は精巧で,種類も多い。これらは婚礼や祭りのときのには,欠かせないアクセサリーとなっている.
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.