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ダイ族服飾 2009年1月16日更新

ダイ族服飾
【和:だいぞくふくしょく
【中:Tai zhu fu shi
面白テーマ|絹・衣類|>ダイ族服飾

ダイ族は人口76万人あまりで,おもに雲南省シーサンパンナ・ダイ族自治州,徳宏ダイ族チンポー族自治州および耿馬ダイ族ワ族自治県,孟連ダイ族ラフ族ワ族自治県に集居している。このほかかなりが新平,元江,景東,景谷など30県あまりに散在している。
「孔雀の里」の美称をもつダイ族地区は亜熱帯気候に属し, うっそうと茂る密林には野生の象が遊び,金糸猿が木々を跳びかっている。うるわしい平原には,竹林を透かして仏塔が見え隠れする.このような風光明媚なところに住むダイ族の服装は,それにもまして美しい。男は前合わせか脇で合わせる,衿なし小袖の短い上着に,下は細身の長いズボンをはき,腰を青い布でしばる.頭には一丈あまりの長い白か青の布をぐるぐる巻きつける.はだしの者が多く,冬の寒いときには脚絆を巻く.むかし,男は入れ墨の習慣があり,成人する前に,胸,背,腰,腹または四肢に動物,草花,幾何模様やダイ文字などの図柄を彫ってもらった。
女性の服飾は地域と年齢によっていくらか違うが,基本的には細袖の短い上着に,長い筒スカート(サロン)である.シーサンパンナの女性は体にぴったりした短いシャッで,裾幅のひろく,そった,ちょっと蓮の葉に似たものを着る。下は丈が足の踵まであるさまざまな色の筒スカートをはく.頭は髷を結い,櫛をさし,柄のついたタオルを巻く,全体にほっそりとして,たおやかな感じである。徳宏の未婚の女性は白か淡いブルーの,脇で合わせる短い上着に,膝下まであるズボンをはき,小さな前掛けをする。結婚後は前合わせの短い上着に,黒い筒スカートに改める。ない女の多くはお下げ髪を巻いて頭にのせ,中年の女は数丈もある黒布で,頭を高い筒の形のようにつつむ。この地域の女性の服装は色調がよくとけあっている.その他の地域はほぼ似かよっているが,あるところは短いスカート,あるところは広い袖,あるところは装飾が凝っているというように地域的な特徴もいくらかある.ダイ族の女性は装身具が好きだ,銀製のアクセサリーには腕輪,耳輪,ネックレスなどがあり,なかには骨製,ガラス製のもある.豊かな家の女性はよく金の首飾り,頭に金の造花や真珠,翡翠をつける。気候の寒い時期には,男女とも毛布をまとう.
ダイ族の住む地域は,封建領主が中国王朝から官位をもらって世襲の支配者となる土司制度が長いあいだしかれてきた歴史があるので,身なりにも階層による違いが表われている.徳宏のあるところでは,一般の人は銀ボタンを使い, スカートの裾は黒の繻子か青いビロードで一本縁どりされるが,上層階級の女性は金ボタンを使い,スカートの裾は四本縁どりされている。芒市,隴川一帯の上層階級の女性は特別あつらいの礼服をもっていて,祭りの日などに着用する。この礼服は淡紅色の絹地で仕立てられる広い袖,縁どりされた上衣で,肘に金糸と色糸で刺繍された,深紅色の地に黒の繻子で玉ぶちをつけた袖カバーをはめる。それに赤や黄などさまざまな色の絹を縫い合わせた刺繍入りのスカートをはき,赤か黒の繻子でつくった,刺繍つきの,先のそった靴をはく.
祭りになると,娘たちは孔雀よりも華麗な筒スカートをはき,彩雲よりもきらびやかで美しいマントをまとう。若者たちは懸命にドラをたたき,木の葉を吹き鳴らし,象の脚の形をした細長い太鼓(象脚鼓)を腰につけて踊る。烈日のもとに木々の緑は濃い蔭をつくり, ドラや太鼓のにぎやかな音が天に鳴りひびくなかでの,艶やかな色彩の乱舞は壮観である.出所:中国民族服飾1981
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