門巴族服飾　2009年1月19日更新

門巴族は人口4万人あまりで，おもにチベット自治区の門隅地区に住んでいる．そのほか東南部の墨脱，林芝，錯那などにも分布している。
メンパ族の女性は毛氈，氆氇（厚い羊毛織物）、羊毛の帽子を織るのが得意である。氆氇の織り方はふたとおりある。ひとつはチベット族が使う脚踏式織機で， ひとりで１日に，25センチメートル幅のものが3メートル織れる。もうひとつはメンパ族のつくった手動式織機で， 1日に42センチメートル幅のものが2.5メートル織れる．
メンパ族は男女とも，赤い氆氇で仕立てられた長衣を好んで着る。男の服装はチベット族とほぼ同じだが，少々丈が短くで，腰に赤褐色の帯をしめる。女は長衣の上に白い氆氇でつくった「給馬」と呼ばれる前掛けをする． 墨脱地区のメンパ族は亜熱帯の気候に合うよう男女とも長短二種の上衣があり，女はまた長い柄スカートを好んではく。男女にかかわらず上部が褐色で囲りがオレンジ色の，前に切りこみの入った小さな「抜爾甲」と呼ばれる帽子をかぶる．帽子のオレンジのふちは地元に生えている一種の草の根で染められ， 目のさめるような鮮やかさである。男女ともブーツをはき，靴庭は薄皮，胴のところは深紅の氆氇で縫いあげるもので，軽くて履き心地がよく， しかも美しい．
女はふだん毛の生えている面を裏にして牛皮を一枚肩にかける． さまざまな装飾品をつけるのが好きで，トルコ石と珊瑚でつくった耳飾りのほか，胸には格馬と呼ばれるいるとりどりのビーズと銀でつくったものをぶらさげる．手には腕輪と指輪をはめ，仕事をするときや外に出掛けるときは，男女とも護身，柴刈り，肉を切りさく道具として，腰に刀を帯びる。出所：中国民族服飾1981
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