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ナポリ歴史地区(イタリア世界遺産) 2009年4月18日更新
【和:ナポリれきしちく】 |
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「ナポリを見て死ね」という言葉は、ナポリ湾の絶景に捧げられた賛辞だが、今、この町の美しさを賛える人はあまりいない。ただ、騒々しくごちゃごちゃとした町といっても過言ではない。ではなぜ世界遺産になったのか。
そもそも、ナポリは、紀元的にまでさかのぼる古い歴史をもちながら、2500年もの間、一度も輝いた時代がない。入れ変わり立ち変わりさまざまな外国に支配され続け、産業らしい産業もないまま、近代に至っても、貧しい小作人の町として、北部との格差を広げている。しかし、ナポリはずっとナポリだった。翻弄され続けたそんな歴史を絶え抜いてきた、たくましい都市なのである。
柔軟で、いくぶん投げやりでメランコリックな、しかし明るさを失わない、そんなナポリっ子気質は、ある意味で巨大な再生力をもっているのだ。
旧市街の西側に広がる「スパッカ・ナポリ」街区を歩いてみよう。狭い路地に洗濯物がはためいて、なんとも下財貨防たっぷり。ギリシアの植民都市時代から、庶民の居住区だったこの街区に、いまも足気な庶民が同じように暮らしている。観光客にはわからないが、中庭を囲む形の集合住宅だ。修道院の多くにも美しい中庭があり、この町には広場がほとんどない代わに、独自の「中庭文化」が生きていることがわかる。また、ナポリの近郊には、ローマ時代の都市が眠っている。そこからなんと市内まで水道が引かねており、最近まで使われていたこともわかっている。こねらの例からもわかるように、混沌に見えるが建築をはじめすべてのものは、各時代に彼らが支配者たちから吸収して、自分たちのものにしてきた「ナポリ文化]の集大成なのである。これもまたイタリアの姿である。何も死ぬことはない、せめて「ナポリを見てイタリアを語れ」。出所:世界遺産の旅
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