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墨の歴史 2009年6月13日更新

墨の歴史

【和:ずみのれきし
【中:Mo de li shi
彫刻・書画|>墨の歴史

紀元前四千年以上前の新石器時代の彩陶の文様がある。その材料が何であったか。顔料と思われるが、絵具や墨の原始形態である。
三千数百年前の殷の後半期といわれる都城址が河南省の安陽付近で発掘された。いわゆる「殷墟」である。亀甲や獣骨に刻した甲骨文字がある。この中に朱書したものや墨書の陶片がある。この墨が何であるかわからない。古くは石涅という天然産の黒い岩石汁を使ったという。元の陶宗儀は『輟畊録』で延安石液といっている。媒剤(接着用)に何を使ったかもわからない。漆か膠であろう。
西周代の墨書はまだ発見されていない。東周の戦国時代になって表れる。一九七八年十二月、湖北省隋県の曾侯乙墓から竹筒(長七七・二センチー七・五センチ)二百余街が出土した。前五世紀のものと推定される。竹簡の最古例である。
解放前、湖南省長沙付近の古墓から発の帛書が出土した。周囲に朱・藍・絳の三色で図絵を描き、中央に文字が約六百字ある。
一九五一年以降相次いで長沙近郊の楚墓が発掘された。五三年、長沙南門外仰天湖の楚墓から三七片の木簡が出土した。副葬品の目録であるが、柳葉線の古文である。
また最近、戦国時代の中山国の遺跡が発掘され、多くの文物と共に玉器に墨書したものが数多く出土した。文字はやはり古文で柳葉線構築である。秦代の竹簡が湖北省雲夢県の古墓から発掘された。
漢代に入ると長沙の馬王姓から竹簡や帛書(B・Cニ世紀より遡る?)が出土し、続いて、 銀雀的の竹簡(孫子兵法)、湖北省江陵県の鳳凰山漢基から筆と筆簡・円石硯と硯石・墨・墨書されていない木牘、銅製の削刀などが出土した。 B・C二世紀中葉の墨の最も古い例である。砕けて瓜の種子ぐらいになっているが報告によると純粋な墨だというから松烟墨であろう。漢代に入ってから松を燃して煤煙をとり、これに媒剤を入れて作るようになった。媒剤はおそらく膠で、練り固めて丸状にしたと思われる。柔らかい墨丸に水を加え、硯石(磨石ともいう)で磨りつぶして墨液を作ったのであろう。漢代の硯でこの硯石を伴ったものは前漢のものに多い。宋の晁貫之の「墨塁経』によると古は松烟、石墨の二種を用う。石墨は晋魏より以後聞くことなし。松烟の製尚し。漢は扶風、隃糜、終南山の松を貴ぶ。蔡質漢官儀に曰く、尚書今僕丞郎月に隃糜大墨一枚、小墨一枚を賜う。
とある。 一枚という数え方から、板状と思われ、乾燥させて固形墨を作るようになっていたのだろう。固形墨になれば硯石は必要でなくなる。扶風、隃糜、終南の三山は共に陳西省にある。.....出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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