考古用語辞典 A-Words

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怪石 2009年7月12日更新

怪石

【和:かいせき
【中:Guai shi
彫刻・書画|基本用語|>怪石

古玩趣味の終点は仏像(石仏・金剛仏)、 石(怪石・石製品)、陶磁器だと言われている。文人の指向もこの指摘の通りである。石に対する趣味は古来からあって、 殷代に始まる石刻文字、 青銅器銘文、古匋文などがそれを物語っている。石の魅力にとりつかれたのは古くからであったろうが、それが趣味生活の中に生かされて定着するのは宋代からである。杜綰の『雲林石譜』は宋代の宝石趣味が文人生活の中にいかに浸透していたかを物語っている。
一塊の石に宇宙の森羅万象を観、深山幽谷を察するために文房に置いたのである。豪富を誇る人は園林に造営した。日本の石庭といわれる庭園の主軸は移ろいやすい樹木ではなく不変の相を持つ石である。龍安手の石庭が象徴的である。
文房清玩の具の中に、怪石の目があるのは当然といえるだろう。小塊石を机辺に置き、中怪石は室内に置き、大怪石は庭園に置いた。主なものをあげよう。
太湖石
江蘇省の太湖に産する石である。水石と早石とある。水中にあって、浸触されて多孔となったもの程喜ばれた。中国の北京、上海、蘇州などの名園の庭石として使われている。小、中塊が盆石、硯山などとして文房に持ちこまれている。
大理石
建築に使われたが花文の美しいものが家具調度品に利用されている。石塊を鑑賞されることはない。
英石
彫刻に使われ、彫像として愛玩される。仏像、人物像などに使われている。盆石もある。広東省英徳県で産出する。
菊花石
有名な南京雨花台から産出する石である。五色がある。盆石に利用する。
孔雀石
筆架、鎮紙、印材などに加工している。鮮緑を愛されている。
霊壁石
盆石の代表である。安徽省宿県に産する。小さな凹凸が連り怪奇な形を作るもの程喜ばれる。石質が堅く、はじくと金声がする。
既述の『雲林石譜』には百有余種の中国産の名石が挙げられている。石塊に紫檀の台をつけ、その奇岩怪石ぶりを鑑賞されている。出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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