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ティツセン=ボルネミッサ・コレクション美術館(スイス) 2009年7月28日更新

ティツセン=ボルネミッサ・コレクション美術館(スイス)

【和:ティツセン=ボルネミッサ・コレクションびじゅつかん
【英: Pinacoteca Galleria Thyssen-Bornemisza
研究機関|>ティツセン=ボルネミッサ・コレクション美術館(スイス)

 スイスのルガノ湖のほとりにティッセン=ボルネミッサ・コレクション美術館がおる。門を入り湖沿いの杉の木なちの小径を美術館へと十分くらい歩く。
 美術館は、ハンス・ハインリッヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵の別荘であるファヴォリタ荘の小さな城と、それに続く絵画館で構成されている。絵函館は二十室あるが三百五十点ほどしか飾れず、絵画千六百点以上、彫刻、骨董家具、タピスリー、陶器を含むコレクションのほんの一部しか展示できないのが現状のようである。 ハインリッヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵は、ドイツの鉄鋼業で財をなしたが、ヒトラー政権下のドイツを離れてスイスに移った。彼は初めに十五ー十六世紀ドイツの板絵、アルトドルファーやデューラーを購入し、次にオランダとフランドルの絵画へと収束は広がっていった。その後イタリア、スペイン、フランス絵画も加わった。一九三〇年に初めて一般に公開され、一九三二年に現在のファヴォリタ荘を買い、一九一三七年に新館の絵画館が建てられた。美術館は一九四七年の男爵の死去にともない息子のハンス・ハインリッヒに相続された。彼も父の志を継いで収集を続け、フランス印象派、ドイツ表現派、キュビスム、シュルレアリスム、構成主義などを購入していった。
 入口を入ると階段が右にあり、二階へ上りきったところの踊り場から右がファヴォリタ荘で企画展示室になっており、左へ行くと絵画館である。 絵画館は、天井からの採光が明るく床も大理石になっている。フラ・アンジェリコの「聖母子像」が美しい。フィレンツェのドメーニコ・ギルランダーイオの気品高い「ジョバンナ・トルナブオイニの肖像」も印象に残る。
 十五-十六世紀のドイツ肖像画では、ハンス・ホルバイン、ルーカス・クラナッハ(父)の「泉に横たわるニンフ」、デューラーの一博士に囲まれた若いイエス」が並ぶ。十五世紀フランドル派の大家メムリンクやウェイデンもある。ここのウェイデンの「壁龕の聖母子」は小品だが素晴らしい。
 オランダとフランドルの十六-十七世紀の絵画ではヤン・ブリューゲル、レンブラントの一六四三年ごろの自画像がある。十七世紀オランダの室内画と静物画では、レンブラントに師事した画家、ヘラルト・ダウの「ろうそくを持つ窓辺の少女」がある。同じく十七世紀の人物画ではフランス・ハルスの「バイオリンを弾く漁夫」が人間味があって楽しい。ルーベンスの大作「貴婦人の肖像」「幼いイエスとヨハネを抱くマリアとエリサベツ」(この絵の二人の少年はルーベンスの子供のアルベールとニコラスがモデルといわれている)、「ヴィーナスの化粧」(ティツィアーノの模写)の三点は素晴らしい。その他ヨルダーンス「天使と聖家族」、フランス・ハルスの大作「風景の中の黒人の召使いをともなった家族」もよかった。  十六世紀のイタリアのヴェネチア派では、ティツィアーノの「総督フランシスコ・ベニエールの肖像」は圧巻であり、ジョヴァンニ・ベルリーニの聖母子像、ティントレットの「パラダイス」は五メートルの横長の大作だった。スペインのエル・グレコの「受胎告知」も名品である。
 バロックでは、カラバッジョの「アレキサンドリアの聖カテリーナ」は印象に強く残る作品である。
 十六-十七世紀のスペイン絵画では、ベラスケス「マリアーナ王妃の肖像」(フェリーペ四世の二度目の妃。マルガリータ王女の母)、ムリーリョの大作「パレルモの聖ロザリアと聖母子」が美しい。十七-十八世紀フランス絵画は、アントワーヌ・ル・ナンの小品「子供の楽師たち」がとても可愛い。ブーシェ、フラゴナールなど美しい絵が多い。 出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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