考古用語辞典 A-Words

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テート・ギヤラリー(イギリス) 2009年7月29日更新

テート・ギヤラリー(イギリス)

【和:テート・ギヤラリー
【英:Tate Gallery
研究機関|>テート・ギヤラリー(イギリス)

 ロンドンのテート・ギャラリーは一八九七年に開館した。製糖業で財をなしたヘンリー・テート卿の寄贈によるものである。建物はその後、何回も拡張され、コレクションも膨大なものとなった。あまりに数が多いので、展示替えされると、見たいものがない場合もある(本稿の部屋番号は一九九一年展示のプランによる)。  テムズ川に面した石造りのこの美術館は、十六世紀以降の英国美術を中心に収集、ヨーロッパ美術の宝庫となっている。絵画と彫刻のコレクションが主である。美術館の右側に増設されたややモダンな建物が、一九八六年に開館した、ターナー寄贈の作品を展示するクロア・ギャラリーである。
 イギリスが生んだ代表的画家ともいえるウィリアム・ターナーは一七七五年に生まれ、一八五一年、七十六歳で世を去った。そのターナーの作品を一番多く所蔵し、展示しているのがこのクロア・ギャラリーである。若さ目の自画像から、絵具箱、手紙などブライベートなものまで、年代を追って展示された作品が明るい空間の中で次々にターナーの世界を繰り広げ、導いてくれる。たくさんある作品の中で私が特に好きだったのは、「カルタゴ帝国の衰退」(一八ー七)、「ホテル・ヨーロッパの階段から見たドガーノ、サン・ジョルジォ教会、シテラ」(一八四二)、「ペニス、ため息の橋」(一八四〇)などである。いずれも光が美しく、幻想に満ちたファンタジックな世界である。太陽の水への反射、雲の中の太陽と建物の陰影とのコントラストが素晴らしい。
 ターナーを堪能したあと美術館本館に向かう。三十室以上の展示室があるので、受付でギャラリー・ブランをもらい、何を見たいかを決めてから歩き始めるとよい。
 まず、イギリス絵画の歴史を追うことにする。十六ー十七世紀のイギリス絵画より十八世紀のゲインズボローやレイノルズらが親しみやすいかもしれない。四室は、ウィリアム・ブレークの彩色販画「アダムをつくるエロヒム」が迫力がある。そして六室は、十九世紀のラファエル前原のミレイーオフェリア」が美しくロマンチックである。この時代にはイギリス絵画特有の堅さがない。十六室はモンドリアンばかりである。
 玄関を入ってすぐ左の十二室と十三室にはフランス印象派、後期印象派など一九〇五年から二五年のヨーロッパ絵画がある。ゴーギャン「ファア・イヘイヘ」(一八九八)は迫力ある大作だ。セザンヌ「庭師」、ゴッホ「オーヴェール近くの農家」、ピカソやブラックのキュビスム時代の作品、レジェ、ボナールと名品が並んでいる。マチスは点数が多い。ピカソフンュミーズを着た少女」(一九〇五)は特に素晴らしい。品のよい目元の女性はピカソのモナ・リサである。青の時代からばら色の時代への移行を感じさせる作品である。二四室にもピカソがあるが、こちらの作品は戦後のものである。その他ミロ「友よりのメッセージ」(一九六四)、マチスの大作コラージュ「エスカルゴ」(一九五三)が印象に残る。
 二十室のペン・ニコルソンもいい。「サン・レミ、プロヴァンス」(一九三三)は洒落た作品だ。二五室にはニコルソン、ヘップ二ースがある。二三室は抽象でクリフオード・スティル、ロスコ、ポロック、デ・クーニングがあるが、ポロックの「夏」(一九四八)はとてもいい。二七室にはフランシス・ベーコンがある。彼は二十世紀イギリス絵画を代表する人である。気持ちの悪いモチーフだが、見る者に不思議な迫力をもって追ってくる。その強烈な個性がもつ品格に大きな芸術性を感じる。「座っている人」(一九六一)、「ある傑刑の下の人物のための三習作」(一九四四)など素晴らしい。ニ八室にはアメリカのジャスパー・ジョ-ンズやウォーホルがある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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