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クリーヴランド美術館(アメリカ) 2009年8月8日更新

クリーヴランド美術館(アメリカ)

【和:クリーヴランドびじゅつかん
【英:The Cleveland Museum of Art
研究機関|>クリーヴランド美術館(アメリカ)

 アメリカのオハイオ州、クリーヴランドに、ピカソの青の時代の素晴らしい作品を所蔵する美術館がある。ニューヨークからクリーヴランドのラピッド・トランスファー空港まで飛び、美術館のある。"ユニヴァーシティー・サークル"まで列車に乗った。所用時間約四十分。十五分から二十分間隔に出ており、列車の中に駅名の表示が図で示されているのでわかりやすい。工場が続く窓外の鉄錆色の風景にちょっぴり憂鬱になりながらようやく目的地に着いた。駅から美術館へはバスが循環していて、五分くらいのところであった、ユニヴァーシティー・サークルは緑が多くきれいな町である。美術館は小高い丘の上にあり、美しい展望が広がっている。ロダンの「考える人」が中央に置かれてあった。
 入場は無料だがなんと四二室もあり、そのうえ、別館まである。効率よく見ることにして、エジプト、ギリシャ、ローマ、ビザンチンなどは駆け足で通り過ぎることに決めた。
 ルネッサンスの部屋から見てゆくことにする。ティントレット、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ボッティチェルリの美しい作品があり、十四世紀から十七世紀ごろまでの宗教絵画、そして、リベーラ、ゴヤ、エル・グレコ、ムリーリョ、ベラスケスなどスペイン絵画へと続く。  現代の作家たちは、タマヨの作品、国吉康雄の一九二二年作、ベーコン、ムア、ヴァザルリ、ポロック、デ・クーニング、ロスコ、ジャスパー・ジョーンズ、ベン・ニコルソン、ラウシェンバーグ、イサム・ノグチなどのそれぞれ中期のものが並んでいる。  そして、念願のピカソの青の時代の作品がある部屋へ進む。ピカソだけでなく、ミロ、レジェ、カンディンスキー、モンドリアン、ブラックの名品も揃っていて感動と興奮で息づまるようであった。ミロは一九三五年の「夜想曲」、カンディンスキーは一九〇二年作のもの。ピカソは七点あり、どの作品も素晴らしいが、中でも「桃色の人物」(一九〇五)、青の時代の「人生」(一九〇三)の二点が素晴らしい。その他「ケープをまとえる女」(一九〇一)、「扇子、塩入れ、メロン」(一九〇九)、「瓶、コップ、フォーク」(一九一二)のキュビスムの作品、また「アルルカンとバイオリン」(一九一八)もいい。ブラックは一九一三年作のコラージュと一九三〇年作の「卓上のギターと瓶」があるが、どちらもきわめつきの名品であった。キリコも一番いい時代の一九一七年作「形而上学的な室内」があるし、モンドリアンも「コンポジション」(一九二七)と、珍しい初期の「菊」(一九〇六)がある。とにかく歴史的な名品、感動的な名作ばかりである。
 さらに、アンリ・ルソーのジャングルの大作、マンズーのブロンズ像「若いデビッド」(一九三八)、マチスの「エトルタの壷のある風景」(一九〇四)、モジリアニ「少女の肖像」(一九一七-一八)、ゴーギャンのタヒチ時代の「訴え」(一九〇二)は大作で見事な作品である。「大きい木」(一八九一)もいい。セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」(一八九四―一九〇〇)、ゴッホ「サン・レミの道」(一八八九)、「丘のポプラ」(一八八九)、「ラヴーの肖像」(一八九〇)、ルドンの油彩「花瓶の花」(一九〇五)もよかった。モネの大作「睡蓮」(一九一九―二二)、さらに、ルノワール「ロメーヌ・ラコー嬢」(一八六四)、「イヤリングをつける女」(一九〇五)や、モネ「テームズの眺め」(一九〇四)、「アンチーブ」(一八八八)が印象に残った。そしてターナーの「国会議事堂の火事」(一八三五)がある。
アメリカの美術館にはなぜかターナーの作品が必ず一点はあるのに驚く。 アンティークの家具や銀器や陶器、教会の装飾美術品、東洋美術、デッサン、浮世絵の部屋もあり名品が多く、駆け足ではもったいない美術館であった。 出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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