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キンベル美術館(アメリカ) 2009年8月10日更新

キンベル美術館(アメリカ)

【和:キンベルびじゅつかん
【英:Kimbel Art Museum
研究機関|>キンベル美術館(アメリカ)

 アメリカ南部にあるダラス空港は世界最大規模の空港である。空港内のいくつかのターミナルを結ぶのに電車が走っている。ダラスとフォートワースのほぼ中間に位置しているので、フォートワースヘ行くのにもこの空港を利用する。
 フォートワースに一九七二年、キンベル美術館が誕生し、大実業家ケイ・キンベルの遺した三六〇点の作品が公開された。建物は建築家ルイス・カーンの作品の中でも最高の評価を得ており、美術館の建物そのものを見学に訪れる人も多いという。
 世界的に有名な建築物というと、豪華または奇抜なイメージを想像するが、外観は意外にシンプルで六つのドームが連なっているだけであった。建物の正面にあるオリーブの木に似た"ハリーの木"と呼ばれる木の林とのバランスもよく、さわやかな印象の建物であった。中に入ってみて初めて、細かく計算された建築の素靖らしさがよくわかった。採光、床と壁のシンブルなハーモニー、鑑賞しやすい空間設計など、見る人を快い気分に導く。木の床、そしてコンクリートと石との調和が温かく、美術館にありかちな冷たさを感じさせないのである。
 作品は十五世紀から近代まであり、フランス、スペイン、イタリア、イギリスと各国の名作も多く、小さな美術館であるが見応えがあり楽しませてくれる。印象に残った絵はイタリアのジョヴァンニ・ベルリーニ「聖母子」やフラ・アンジェリコの小品、レンブラント「ドン・ペトロ・デ・バルベラーナ」など、またムリーリョ、ルーベンス、フランス・ハルス、プーサンなどもなかなかいい。ゴヤ「リタ・ルナの肖像」のゴヤらしい表情が面白かった。イギリスのターナー「グラウコスとスキュレ」もよかった。レイノルズの大作もいい。
 印象派以降ニ十世紀の作品となると、まずセザンヌの二点が魅力的であった。アンソール「身体を温める骸骨たち」はユーモラスで皮肉たっぷりといった作品である。
ミロ「運転手キャサニーの肖像」は初期の具象的な絵だが描写力は見事である。ばら色の時代のピカソ「髪を梳るか女」も迫力があって好きだった。ロビーを挟んで反対側には企画展示場とビュッフェ、レストランがある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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