考古用語辞典 A-Words

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ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ(アメリカ) 2009年8月14日更新

ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ(アメリカ)

【和:ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ
【英:Honolulu Academy of Arts
研究機関|>ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ(アメリカ)

 ホノルル・アカデミー・オブ・アーツは街のはずれにある。外観からはそう大きくは見えないが、二八室も展示室があるのには驚いてしまう。収蔵作品も二万二千点あるという。一九二七年、ハワイに渡った宣教師のクック夫人が建物と作品を寄贈し、その後もいろいろな人の寄贈を受け、現在もハワイの企業や個人からの寄付で運営されている美術館である。コレクションを公開するというだけでなく、クック夫人の遺志でホノルル・アカデミー・オブ・アーツとされ、企画展示、講演、映画、演劇などの催し物が年間のスケジュールとしてびっしりたてられ、ハワイの人たちの美術教育の場となっている。  階段をあがった入口は簡素で、左側に案内カウンターがある。そのロビーの前は中庭になっていて正面にブールテルの等身大の彫刻が置かれている。  十九ー二十世紀のフランス美術、十八世紀末から十九世紀のアメリカ美術、十五-十六世紀のイタリア美術、ヨーロッパやアメリカの十七ー十九世紀の写真、ギリシャの壷や古いガラス器、日本美術、朝鮮陶器、中国の仏像と陶器、家具、インド芸術、イスラム芸術、オセアニアやアメリカの原始芸術、二十世紀アメリカの現代美術までの広範囲にわたるコレクションである。  フランス美術の部屋はマチスの「アネリーズ、白いチューリップとアネモネ」から始まる。マチスの円熟期の作品である。ボナールの「マントルピースの上のチューリップ」、セザンヌ調のヴラマンクの作品、モジリアニの「座る裸婦」、モネの「睡蓮」の大作、セザンヌの「風景」、ゴーギャンの「タヒチ海岸の二人の女」。この最後の作品は日本で開催されたゴーギャン展(一九八七年)のときに出品され話題になったものである。ピサロの「ルーアンの港」、ゴッホの「麦畑」、クロスの「風景」、レジェの「抽象」、ブラックの「りんご」、ピカソの小さなキュビスムの作品「パイプとめがね」、キリコの大作「大きな機械」、タンギー「長い雨」、ルドンの「花の女」などが展示されている。  このように、十九世紀末から二十世紀フランス美術の作品が一通り揃っている、という感じである。作品の中ではゴーギャン、モジリアニ、ピサロ、ピカソが特に素晴らしい。彫刻はマイヨール、ブールデルが印象に残る。  日本美術は尾形光琳の梅の小品の掛け軸、酒井抱一、池人雅らの絵や屏風があり、絵巻物にも面白いものがあった。「ペリー下田来航、一八五三年」と書かれた作品は、漫画風に当時の風俗が描かれ、外人が餅つきをしたり、盥で洗濯をしたりしている。「アメリカ下臣ノヤカラセイテンヲニラミ洗濯ノ図」などとされている。また、鎧、金蒔絵の調度品、奈良時代から室町時代のころの仏像や木彫が飾られ、部屋の隅には床の聞か作られ、掛け軸が掛けられ、花が活けてある。  世界各地の美術品の部屋もそれぞれに楽しく、太平洋の小さな島であるハワイの人たちにとって、文字通り美術アカデミーとしての役割を果たしている。観光ガイドブックには載っていないので知らない人たちがほとんどである。常夏の国ハワイでゴルフやサーフィンばかりでなく、美術館を訪れるのもすてきな旅になると思う。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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