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父辛鼎 2009年9月9日更新
(父辛を祀るために作った鼎)
殷後期
通耳高 36.0cm
1973年 喀喇沁左翼蒙古族自治県北洞村二号窖蔵坑出土
太い三足の上に堂々とした重量感あふれる器体をのせたこの鼎は、殷代後期の典型的な様式といえる。口縁下に一帯の夔龍紋を配し、その下の器腹中央に典型的な饕餮紋を鋳出している。「饕餮」紋とは、空想上の怪獣面を、古典中の名称に基いて宋代の学者が命名したもので、殷周時代に何と呼ばれていたかは不明である。研究者によっては、青銅器鋳造上で必要になる中央線の脊稜を中心に相対する一対の夔龍紋が、次第に怪獣面に変化したものだろう、とも考えている。殷代中期から西周中期にかけての青銅器でもっとも中心的な紋様として用いられている。文中の゛凩″は、文字とは区別されるのでこれを図象銘と呼ぶ場合もあり、その性格に関する解釈からこの青銅器を製作した氏族のマーク(族記号)だとする説が一般的ではあるが、その説では、説明しきれない現象も少なくなく、今後の研究課題である。殷人は、歿後、十干名(甲乙丙…)によって諡り名がつけられた。゛父辛″は、そういった諡り名である。出所:中国の器展ー青銅と陶器
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