考古用語辞典 A-Words

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十一面千手観音 2009年11月1日更新

十一面千手観音

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>十一面千手観音

チベット中央部
14世紀後期-15世紀前半
綿布着色
82×71.8cm
ツィンマーマン・ファミリー・コレクション
全面に広がる格子状の枠の中に、整列した黄帽派のラマ憎や無帽のラマ憎、仏陀、菩薩、護法尊が描かれている。白色の十一面千手観音の姿は、大きく輪になった千の手によって拡大され、唯一の大きな像となっている。真上にいるのは、阿弥陀(無量光)である。観音の両足の外側には、小さな2人の脇侍が立ち、その隣にそれぞれ白ターラーと縁ターラーが座っている。下の列にはさまざまな護法尊がいる。左から右に、黒い衣をつけたベルナクジェン、青色の大黒立像、白色の六臂大黒立像、大黒の従者2人、そのうちのひとりは熊に乗ったクシェトーラパーラ、次に大きな青色の大黒、従者、馬頭、ペンデン・ラモ、赤色の馬頭、そして温和な吉祥天。赤色で縁取られた青い雲が、暗青色の背景の空間に満ちている。
 天衣や衣の活き活きした自由な描線は力強く曲線や弧を描き、暗青色や緑色、赤色の強烈さはみずみずしさを創りだしている。この活気のある様式は、15世紀第2四半期頃のギャンツェのクンブム寺の壁画の様式と関連している。グゲ様式はより洗練され、繊細で、抑制されたものである。この作品の様式の先駆は、15世紀半ばのラダック、サスポールの洞窟壁画にみられる。ツィンマーマン所蔵のこの作品にみられる特殊なラマ僧が誰であるかと判断するのは難しいが、それらは15世紀前期に確立したゲルク派とは何らかの関係がありそうである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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