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阿閦 2009年11月5日更新
チベット中央部
11世紀-12世紀前半
綿布着色
53.3×44.1cm
マイケル・マコーミック・コレクション
青色の阿閦仏が触地印を結んだ右手に金剛杵を持ち、阿閦の乗り物とされる白と黒の象に支えられた極彩色の蓮台に結跏趺坐に座る。2人のたくましい金色の夜叉が基壇の隅を支えている。桃色の象の背に乗った青いレオグリフ(シャールドゥーラ)が台座の背の両脇を支え、金色の葉状の尾びれを持った桃色の摩竭魚が台座のいちばん上の背板を飾っている。中央の尊像の頭上や両側の上部には16人の仏陀が座っており、交互に触地印と説法印を結んでいる。画面中段には、東方妙喜国の阿閦の従者のうちから両側に5人ずつ10人の天上の菩薩が描かれている。その下の段には、交互に触地印と説法印を結ぶ8人の座った如来が並んでいる。いちばん下の段には、護法尊やターラーがいる。左から右に、帝釈天、クベーラ、シヴァ、緑ターラー、梵天、アグニである。尊像を描く繊細な線や簡潔さによって、この作品に儚さや軽快さが添えられている。
このタンカはハルパート・コレクションの大日と同一の様式であり、おそらく対となるものである。様式的にはこのタンカは後伝期の初期に属している。この阿閦の姿は11世紀前期から中期頃に制作されたツァンのキャンプ寺の2階の彫刻に関係がある、しかしキャンプ寺の彫刻はもう少し装飾が簡潔である。この尊像の様式の簡潔さはチョカン寺の初期の絵画にいくらかの類似が認められる。出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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