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ミラレパとその生涯 2009年12月8日更新
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彫刻・書画|>ミラレパとその生涯 |
東チベット
18世紀後期-19世紀前期
綿布着色
158×92cm
ストックホルム国立民族学博物館
チベットの綿をまとった瑜伽行者ミラレパは、ここで、彼が多くの苦行をした場所であったヒマラヤ山脈の彼の浄土の中にあらわされている。
雪を戴いた峰や滝が落ちている青緑の岸壁が、ミラレパの背後にそびえており、その前で彼は、彼のまわりをだらりとおおっている白い衣を着けて、色彩豊かな蓮の上にくつろいで座っている。彼を取り巻いているのは、彼の人生で出会った主な人や尊である。薄紫色の光背で美しく型どられた彼の頭の上には、彼の師マルパの座っている姿がある。マルパの上には、最も傑出した仏陀、濃紺の執金剛がいる。金色の魚を持ったティローパと、髑髏杯を持ったナーローパとは、インドの大成就者であり、マルパとミラレパの血脈には重要であるが、おびただしい切れ目のはっきりした雲に囲まれて、それぞれその左右にいる。こうした人物はカギュ派の血脈である。これに関してミラレパは次のように言っている。「偉大なる執金剛は、我が源、賢者ティローパは我が祖先、大学僧ナーローパは我が祖父、訳経営マルパは我が崇拝せる師、我はミラレパなり」。ミラレパの右にはレーチュンパがおり、左にはガムポパがいる。彼らは、ミラレパの2人の主な弟子で、それぞれが月と太陽といわれる。供物を広げた岩の台地の上にある蓮華座の下には、5人の恐ろしい人食のダーキニー(ツェ-リンマとその妹)がおり、ミラレパが禅定している間、残忍な幻影で彼を脅かしているが、薬の谷の有名なエピソードの中で彼に調伏された。長女のツェーリンマは、オレンジと白の雪獅子に乗っている。下の左隅には、ミラレパの誕生が描かれている。
この絵は、ミラレパの生涯を描いた19のタンカのシリーズの最初のもので、1930年に北京で取得された。このシリーズのうち別の二つの例は、作品ミラレパ・その生涯である。このシリーズの絵画は、後世のチベット絵画に由来し、色や人物を高度に理想化しながら、しかもより立体的な風景の場面を効果的に使っている。影のない姿は、真に清浄な世界にいるかのように見え、それによって、見るものは、その愛すべき環境や魅力的な場面に引き込まれる。出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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