花鳥鎗金稜花合子　2009年12月28日更新

一合
高8.0 径12.5
明時代(14～15世紀)
Foliate box and cover decorated in giangjin with bird-and-flower design.
大英博物館蔵
　六弁の稜花形をした印k籠蓋迫りの蓋物で，朱漆の上に黒漆を塗り，鎗金の技法で文様をあらわしした小品である。蓋表に双鳳，あいだに蓮唐草文を，肩部に蓮唐草，尻部に小花散らし，そして蓋･身の側面にキーフレット文をあらわしている。これまで知られる鎗金の最古の例は宋時代のものであるが，この手法はどうやら，元時代にはいって急速に発展を遂げたようで,江蘇･浙江の両省を中心に多くの作品をつくり出した。元時代の鎗金器は彼地よりわが国にも伝えられ，いくらかはいまもなお大切に保存されている。この小合子と同種同巧の作品は現在他に二点ほど知られるが，いずれもきわめて元時代の鎗金の作風に似かよっており，明時代というよりは，むしろ元時代の要素が色濃く写し出されているように思われる。小品ながら，随所に見どころをもった愛すべき作品である。出所：大英博物館所蔵日本・中国美術名品展
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