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偶方彝 2010年3月1日更新
青銅
高60、全長88.2、□69.2×17.5、重71kg
1976年、河南省安陽市殷墟婦好墓出土
商時代・前13-前11世紀
Bronze Square YiWine Vessel
大形で堂々とした青銅器。身は上部が内側にすぼまり、底に圈足がつき、短側面に把手がつく。口縁の長辺には7箇所ずつ外側に突出した部分があるが、突出部の形状は両側でそれぞれ異なっている。蓋は寄棟造りの屋根のような形で、柱状の装飾があたかも煙突のように二つつく。
この青銅器には多くの鳥が表わされている。蓋の長辺の中央には正面からみたみみずくの顔を大きく表わし、その両側を尾の長い鳥が囲む。身の上部のすぼまった部分も、中心に獣の頭を立体的に表わし、その両側に尾の長い鳥を2羽ずつ配している。身の短側面には、象の頭を立体的に表わすが、その両側にも鳥がいる。
身の内側の底に、今日の漢字では「婦好」と表すことができる陰文(筆画が溝状に表わされた文字)の銘文がある。中国古代青銅器に表わされた銘文としては、もっとも古い時期のものである。婦好は人名で、商王の妃と考えられている。
方彝とは、横断面がほぼ方形で、建物の屋根のような形の蓋を伴う、酒を蓄える容器。本作は通常の方彝を二つ横に繋いだような形状であるので、偶方彝(二つ分の方彝)と仮称されている。身の口縁の突出は、酒を酌む柄杓を立てかけるために作られたのかもしれない。全体の形は建物に似ており、当時の大形宮殿建築を模したものとする説もある。出所:『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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