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作冊般黿 2010年3月4日更新

作冊般黿

【和:さくさつはんげん
【中:
殷・周時代|青銅器|>作冊般黿

青銅
通高10、長21.4、最大幅16
伝河南省出土
商時代・前13-前11世紀
“Zuo Ce Ban Bronze Figure of Turtle Shot with Arrows
 首と足を伸ばしたスッポンの甲羅に4本の矢が剌さったさまを表わしている。甲羅の上にみえるのは矢羽のついた矢の根だけであるから、鏃の付いた先端はスッポンの胴を貫いて、地中に達していることになろう。実際には、スッポンの胴部は、甲羅の背の部分だけが作られているだけで、胴を貫いたはずの矢の先の部分も表現されていない。
甲羅の上面には、4本の矢の間に4行33字の銘文がある。その大意は以下の通り。「丙申の日に,商王が洹水(川の名)で、黿(大形のスッポン)に4本の矢を射て、みな命中させた。商王は作冊の職にある般(人名)に命じて、王が黿を射たことを曲にして鐘で演奏させた。これを記念して、般はこの青銅器を作り、母に捧げた」。
商王の事跡をこのように詳しく記した銘文は稀である。また商時代には鳥獣をかたどった青銅器は少なくないが、多くは怪奇な形に表わされており、このように写実的なものは珍しい。本品は2003年に中国国家博物館が購入した新収品であり、学界の注目を集めている。出所:『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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