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ポ二ーのかぶり物と角 2010年11月4日更新

ポ二ーのかぶり物と角

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面白テーマ|青銅器|>ポ二ーのかぶり物と角

Pony cap and horns
トールズ,ダンフリース・アンド・ギャロウェイ,スコットランド
ブロンズ,かぶり物:長さ26.0cm,幅16.0cm,高さ11.0cm,重さ237g,角:長さ22.5cm,径3.3cm,重さ152g,209g
紀元前3-前2世紀,ブリテン島
エディンバラ,スコットランド国立博物館
泥炭地で発見され、古物研究家でもあった作家サー・ウォルター・スコットが1829年に取得した。帽子は二枚のブロンズ板からなり、打ち出しで軸対称の装飾を施している。ポ二ー(小柄な馬)の頭にかぶせ、二つの穴から両耳を出した。古代において何度も修繕されている。角はそれぞれ二枚のブロンズ板で作り、細くなった先端にカモの頭を象った鋳造部品を取り付けた。この部品は片方だけが現存するが、カモの目の象嵌は失われている。それぞれの角の半面にだけ刻線装飾を施す。唐草文の中に小さな人の顔が見出される。トールズの帽子と角の装飾は、島嶼部の工人が大陸の手本から独自の様式を作り出していく出発点に位置しているが、すでに違いは明確である。類似の様式を示す数少ない遺品は南イングランドから北アイルランドに分布しているため、発祥の地を確定することはできていない。当初は帽子と角は関係がなかった。帽子の中央には羽飾りがあったと考えられ、他方、角は馬車のくびきの先端、または角杯の端末であった。しかし角の装飾の様式が帽子の補修部分の装飾に酷似するため、いつの時点からか両者は馬のかぶり物とくびきの先端として組み合わせて使われたと推定される。問題は帽子に角がいつ取り付けられたかである。紀元前2世紀に泥炭地に奉納された時か、19世紀の発見後か。最初の記録ですでに取り付けて紹介されている。取り付けた形で、古代に祭儀で仮面またはかぶり物として使ったという仮説も提出された。出所:「古代ヨーロッパの至宝-ゲルト美術展1998」
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