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葫蘆笙(ひょぅたん形管楽器) 2007年12月23日(日)更新

葫蘆笙(ひょぅたん形管楽器)

【和:ころしょう
【中:Hu lu sheng
春秋戦国|青銅器>葫蘆笙(ひょぅたん形管楽器)

春秋晩期
青銅
高28.2cm 重867g
1972年江川県李家山出土
 雲南省博物館所蔵
 楽器。葫蘆瓜(ひょうたん)の形をまねている。上段は曲がった管で背面に丸い孔が1つあいており,上端には丸彫り風の立牛の鋳造品が熔接されている。下部は球状を呈し,正面に5つの丸い孔,背而に1つの丸い孔があいている。本来はこのいくつかの孔に竹管がさしてあったはずであるが,みなすでに腐って朽ちてしまった。出土した時点ではまた笙の腹の中に, くずれた竹管の断片が残っていた。四人楽舞俑中の伴奏者は,この種の葫蘆笙を吹いている。中国では笙の使用はきわめて早く,『詩経』(中国最古の詩集,前10世紀末から前6世紀までの歌謡をおさめている)の「小雅,鹿鳴」の中にその記載がある。ただし実物の発見はややおそくなり,この葫蘆笙が今まで発見された最も早い笙類の楽器の実物である。葫蘆笙は,古代滇族の主要な楽器であり,青銅器の表現の中には,直管と曲管の2種類を見ることができる。これは,独奏,合奏,伴奏に用いられた。雲南のその後の史書には笙に関する記載がすこぶる多い。唐代の樊綽が著した『蛮書』の中には,次のような蛮夷の風俗が記述されている,「南詔(唐代の雲南の王国)の青年は,夜間街頭で葫蘆笙あるいは草笛を吹き,愛を語って恋人を誘う」。清代の檀萃の撰した『滇海虞衡志』には,「摩察(黒彝族)は,笙を吹くことと酒を飲むことを喜んで好む」とある。
現代の雲南では,彜,(イ+瓦),怒,拉(ネ+古),(イ+泰),納西,崩竜などの少数民族が,まだ葫蘆笙を使用している。極端な場合には,いつも身に着けて離さない者もいる。葫蘆笙に関しては,数多くの不思議な伝説が存在する。崩竜族の伝説では,「祖先が世界を創った時, 7人の子をあちこちに派遣して技術を学ばせた。6番目の子供は,笙を吹き跳んで舞い調子を唱うことを学んで最後に帰ってきた。するとちょうど人々が野良仕事で疲れきっているところであったので,彼は学んできたことを教え,人々は歌い眺び舞うと,疲労がふきとんでしまった。崩竜族はそのため歌舞を愛する民族に変っていった」とある。また彜族の伝説では,「葫蘆笙を最初に作った人は,最も聡明で勇敢な猟師粒斯である。彼の笙はいろいろな鳥の鳴き声を出すことができた」とある。雲南でははるか昔から笙を使っていたことがわかる。出所:「雲南博物館青銅器展」

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