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銅 鼓1 2007年12月24日(月)更新

銅 鼓1

【和:どうこ
【中:Tong gu
春秋戦国|青銅器>銅 鼓1

春秋晩期
青銅
高30.1cm 両径39.1cm 重16.15kg
1972年江川県李家山出土
 雲南省博物館所蔵
 楽器。この種の楽器は,広く中国西南・南方の少数民族や東南アジアの各民族の間に広汎にひろまっていた。正月の演奏,舞楽の伴奏に用いられるほか,信号の伝達大衆の召集,戦闘の指揮,鬼神の祭祀,貨幣の貯蔵,賞賜,進貢,副葬品などにも用いられる。これが権力と財産の象徴ともされる理由でもある。一般的に両方の耳(とって)をしっかりとつないで柱にかけ,側面から鼓面を打ち叩く。地面に置いて打ち叩くこともある。今のところ世界で最も古い銅鼓は,雲南省楚雄県万家覇23号墓で発見されたもので,今から2600年以上も前のものである。銅鼓は,雲南古代の炊事用具である釜が転化したものである。雲南の銅鼓は2000年以上にわたって連綿として絶えることなく,現代に至っても数多くの民族が銅鼓を大事にしまってある。辺境地域の一部の彝,壮,ワ(イ+瓦),苗,瑤,水などの民族は,冠婚葬祭などの日に銅鼓を取り出してたたくことになっている。
この銅鼓は成熟段階の産物である。その形状は,鼓面が平らで胸胴部はかなりはりだし,腰部はすぼまり,脚部では外に広がっている。中空で底はない。4つの耳(とって)で掛けることもできる。文様装飾はかなり華美である。鼓面中央には12本の光芒をもつ太陽文があり,光芒の間には斜線三角文がある。その外側の円圏を暈と言う。第1と第4の暈は同心円文,第2暈は光素文,第3と第5暈は鋸歯文である。胸部には4つの暈がある。第1と第3暈は鋸歯文で,第2暈は同心円文,第4暈はやや幅が広く,人々が船をこぐ文様である。船は全部で4艘を数える。そのうち2艘にはそれぞれ5人が船をこぎ,前後の2人は馬蹄銀形のまげを結い,中の3人は羽冠をかぶっている。別の2艘にはそれぞれ4人がのり,みな羽冠をかぶっている。銅鼓の胸部の上段には,鋸歯文と狭い円圏文とからなる文様帯がある。 さらに腰部は縦に8つの枠に分けられている。そのうち2つの枠は立牛で装飾され, 3つの枠には舞踏する羽人(鳥人)がおり,さらに3つの暈は光素文である。腰部下段の3つの暈は,胸部の第1から第3までの暈と同じである。この銅鼓は,土製の合せ鋳型を用いて鋳造されたものである。鼓身には, 2すじの合せ鋳型の合せ目がはっきりと見られる。雲南青銅器の圧倒的大部分は,土製溶范(鋳型)を用いて鋳造されたものである。出所:「雲南博物館青銅器展」

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