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いけにえ祭祀銅釦飾(帯飾り) 2007年12月26日(水)更新

いけにえ祭祀銅釦飾(帯飾り)

【和:いけにえさいしどうこうしょく
【中:Ji si tong kou shi
春秋戦国|青銅器>いけにえ祭祀銅釦飾(帯飾り)

春秋晩期
青銅
高6cm 幅12cm 重170g
1972年江川県李家山出土
 雲南省博物館所蔵
 浮彫り風の装飾品。裏側に長方形のフックがついている。表側には1頭の午が表現され,丸い柱につながれている。牛は柔順で悲しみの様子をあらわしている。牛の角にはさらに1人の子供がさかさまにひっかけられている。子供は首をねじ曲げ,身体をくねらせており,苦痛にもがくそのさまは,見る人に強烈な印象を与える。この牛と子供は,祭祀のいけにえである。柱の右側には,牛を縛った縄をひく人物がおり,牛の頭の前には踏み倒されたような人物がいる。牛のわきに立つ人物は,片手を牛の背中にのせ, もう片方の手で,牛の首を縛った縄をしっかりとつかんでいる。牛の後には,両手で牛の尾を握った人物がいる。この人物は祭祀の準備をしているのである。下辺には2匹の蛇がからみあっており,左側では蛇の頭上に一匹の蛙がうずくまり,蛇は口をあけて蛙の足をくわえている。この帯飾りが表現しているのは,滇族が牛をいけにえにして神をまつる場面である。この種の場面は,雲南の青銅器にしばしば見られ,普遍的な習俗だったのであろう。今世紀の50年代以前,雲南のワ(イ+瓦),タイ(イ+泰),景頗,独竜などの少数民族は,この習俗を受けついでいた。(イ+瓦)族は,牛のしっぽを切り,首を切り落して穀物をまつり,木鼓を叩くなどの重要な祭儀の時には,みな牛をいけにえにして神をまつることを必要とした。牛尾を切って神に捧げる時には,いけにえにする牛を,主人の家の門前を通らせる。1人の人物が1頭の黄牛をひいていき,それにつづく巫師(呪術師)は,たえず牛の背に水を注ぎ,ついで牛はすぐに家屋の前の杭につながれる。この時,牛のまわりには刀を持った男子がずらりと立ち並び(その刀は研ぎすまされて鋭利である),冷たい光をたたえた眼をきらめかせている。大呪術師と1人の刀を持った人物が象徴的に牛を切る動作をしたあと,別の1人がすばやく一刀をふりかざして牛尾を切り,勢いにまかせてそれを主人の家の屋根にほうりあげる。まわりで刀を持った人々は,弦からはなたれた矢のように黄牛に向って走り,刀をよるいあらそって牛肉を割く。数分後には, 1頭の牛がわずかに骨だけとなってしまう。それから主人の親友たちが,牛の頭と骨をもつ家中をひき回す。祭祀の目的は,牛をいけにえとして「善神」に捧げ,その年の豊作をもたらしてくれるよう願うことにある。このことから推測すると, この祭祀釦飾が表現しているところは,まさに牛を柱にくくりつけ,屠殺する準備をしている情景である。古代滇族が同時にさらに人間を祭祀のいけにえにするところは同じではないが,その目的はほぼ同じで,これもまた農作物の豊作を祈っているのである。
この釦飾は,滇文化の中では最も早く失蠟法で鋳造されたものの1つである。失蠟法とは,母型をとかして精巧なものを鋳造する技法で,まず蜂蜜の蠟で母型をつくり,この母型のまわりに泥をぬりつけて鋳型をつくる。それを熱して蠟をとかし,鋳型の外に流し出す。こうしてつくられた鋳型の内側に再びとけた銅の溶液を流し込み,銅がかたまったあと鋳型をこわすと,精巧な鋳造品ができあがるのである。この精巧鋳造技法の発明は,古代滇族労働者の重要な貢献である。出所:「雲南博物館青銅器展」

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