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闘牛銅釦飾(帯飾り) 2007年12月26日(水)更新

闘牛銅釦飾(帯飾り)

【和:とうぎゅうどうこうしょく
【中:Dou niu tong kou shi
秦・漢・三国|青銅器>闘牛銅釦飾(帯飾り)

前漢中期
青銅
高5.6cm 幅9.5cm 重161g
1956年晋寧県石寨山出土
 雲南省博物館所蔵
 浮彫り風の装飾品。裏側に長方形のフックがついている。表側には高い台があり,中央に門がある。その門の上にうずくまった人物がかんぬきをひっぱって門を開けている。門はすでにあけ放たれ,大きな角牛が門内からのっしのっしと出ていこうとしている。台の上には11人の男女がいりまじっている。馬蹄銀形のまげを頭頂に結いあげた者が4人でこれは男子,まげを背中に垂らした者が7人でこれが女子である。みな坐って膝をかかえ,瞳をこらして牛に注目している。台の下の門の両側Jに5人ずつおり,みな高いさいづち形のまげを結い,頭に1本の長い羽根をさしている。膝をかかえて坐り,みな男子である。彼らは横を向いて,出てくる牛をみている。その姿勢は各々異なっている。門をあけるのを手伝っている者,頭をなでている者,いらいらした様子を見せている者,膝をかかえてみつめている者。その造型は躍動感にあふれている。この場面は,闘牛を見物している情景のようである。
闘牛の習俗は,中国西南部に非常に流行している。清代の李宗昉の『黔記』(黔は雲南省の南隣りの貴州省をさす)には,次のように述べられている。「白苗族は,祖先の祭祀をおこなう前に,必らず肥え太って角の立派な牡牛を1頭選んで飼育し,それから村中の牛を集めて野原で闘わせ,勝てば吉として,祭祀の期日を占ってその牛を屠る」。雲南では今日,路南県(昆明の東)の撒尼族(彝族系)は,たいまつ祭の時に闘牛をおこなわなければならない。闘牛の前に,各村落は闘牛大会に参加する代表を推薦し,あわせて肥え太った立派な牡牛を選出し,会場にひいていく。群衆は紅や緑の服を着て見にくる。会場わきのさおの上に球形の「彩紅Jをかかげて,誰の牛が勝って誰に賞金が与えられるのかを見物する。このような闘牛は,優秀な牛の品種を選択する一種の品種改良である。また年の若い牛飼いの勤勉ぶりと牧手の能力がすぐれていることを広く示し,そして娘たちは往々にして闘牛の最中に自分の恋人を選択する。昔から今日に至るまで,雲南の闘牛は,二千年以上の歴史をもっていることになる。出所:「雲南博物館青銅器展」

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