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弩機(弓の引金) 2007年12月27日(木)更新

弩機(弓の引金)

【和:どき
【中:Nu ji
秦・漢・三国|青銅器>弩機(弓の引金)

前漢中・晩期
青銅
通高17.4cm 廓長10.5cm 重717.5g
1972年江川県李家山出土
 雲南省博物館所蔵
 武器。弩は,遠くから射かける一種の武器である。これは,弓と引金の2つの部分から成っている。弩機は,主に弦を引きしばり,照準を定め,発射するのに用いられる。その各部は,一般に本製の腕本と銅製の機牙(弦掛け),望山(照準器),板機(発射用),および木製あるいは銅製の栓塞(とめくざ)とに分かれる。漢代の弩機は,銅製の廓におさめられていることが多いこの弩機にも機廓があり,それは十分精密に作られている。機廓,機牙,板機には,ひとしく篆書で「河内工官三百二十丙」と銘文が陰刻されている。『漢書』「地理志」によれば,河内郡は高祖の二年(前205)に置かれた郡で,その中の懐県には工官があったという。このことは,この弩機が懐県で生産され,河内郡の工官が製作したものであることを物語っている。漢代の懐県は,今日の河南省武陟県にあたる。「河内工官」の弩機が雲南で出土したことは,2000年も前に,内地と辺境とが密接な経済・文化関係にあったことの証拠である。戦国時代に弩は中原地方の各国の戦争で大量に使用されたが,その時代の雲南では弩はまだ発見されていない(ようやく前漢中期になって,墓の中に弩機が発見されるようになる。雲南の弩は,大体前漢時代に相当する。漢の武帝が西南夷に対して兵を用い,益州郡を設置するに従って辺境と内地との経済・文化関係も日ましに密接となり,ようやく伝来してきたのであろう。出所:「雲南博物館青銅器展」

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