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四面仏像龕 2009年1月20日更新

四面仏像龕
【和:しめんぶつぞうがん
【中:Si mian fu xiang kan
晋・南北朝|彫刻・書画|>四面仏像龕

1953年 陝西省長安県査家寨出土
砂岩、浮彫
高58.0、幅58.0、奥行50.0
北魏 景明二年(五〇一)銘
陝西・西安碑林博物館
中国にみられる単独の石仏や金銅仏は、 一部の大形の作例を除いて、その大半が、親族などの供養のために寺院へ奉納されたり、日常、祈りをささげるために身近に置く念持仏の類として制作されたものである。形式や大きさは様々で、本品のように四面に仏像が表わされた作例もまま見受けられる。南北朝時代(四三九~五八九年)から隋時代(五八一~六一八年)にかけての遺品では、銘文が記された例がことに多く、それによって制作年代や制作意図などがおよそ判明する。
本品は、銘文のあるのを正面とし、各面に、如来坐像と二体の菩薩立像を大きく表わし、その周囲に化仏・獅子・鬼神などを配置する。正面の坐像のみ、腹前で両手を組み(禅定印)、右一肩の衣を一肩ぬいだ着衣法(偏袒右肩)となるのに対し、他の二面の坐像は、右手を胸前に上げて左手を膝上に置いた印(施無畏・与願印)を結んで、両肩を覆う者衣法(通属)をとり、衣の裾が台座の前に垂れ下がる、いわゆる実懸座の形式を示す。正面と他の三面との違いを中尊の形式上の相違に反映させた意図的な処置であるが、菩薩立像の姿態や持物、化仏の配置、光背の意匠などには、各面ごとに種々の変化がある。左側面の下部左右には風神・雷神の姿もみえ、この種の図像としては早い時期の作例に属す。
北魏時代(四三九~五三四年)前半期の塊量感ある作風の余韻を漂わせながら、着衣・衣文の構成や両脇侍の細長く繊細な造形には、龍門石窟初期の造像と共通する要素があり、北魏時代後半期の作風の展開をみるうえで、重要な遺例である。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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