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菩薩立像(陝西省) 2009年1月22日更新
1963年 陝西省潼関県老虎村出土
黄花石
総高103.0、幅29.0、奥行28.0
隋 六世紀末~七世紀初
陝西・西安碑林博物館
三山形の宝冠を戴き、右手に蓮の蕾、左手に水瓶をとり、上半身に天衣・首飾り・瓔珞、下半身に裳をまとう。わずかに左足を踏み出して、上体を左方へほのかに傾け、蓮華座に立つ。正面・背面とも薄手に表わされた衣には製があまり表現されず、全体の装飾も簡素ながら、威厳のある表情とあいまって、典雅な趣を漂わせている。
頭頂から足下の迎蓮弁部までが一材から彫出され、宝珠形の光背は、その中央の角孔に、像後頭部の枘を差し込んで固定する。台座は、伏蓮弁部と方形部の二段からなり、中央の孔に、像足下の迎蓮弁部の底に作り出した枘を挿入する仕組みである。方形部の上面左右に坐る獅子は、左右で表情や姿態に変化があり、生動感ある表現となっている。像や獅子などに示された動勢には、唐時代(六一八~九〇七年)の造形の予兆が認められるものの、なお硬質な肉身表現や角張った顔形には、隋時代(五八一~六一八年)の彫刻の特徴が示されている。
黄白色を基調として、かすかに緑色がかった色調をした、いわゆる黄花石は、西安市の東方の藍田で産出したといわれる。この石材を用いた彫刻は、北周時代(五五六~五八一年)の遺品を中心に相当数が知られている。比較的柔らかい石質を活かした小ぶりの作例が大半をしめるが、本像は、それらの類品の中では、きわめて稀な大形の遺例である。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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