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如来倚像 2009年1月23日更新
一九六四年 河南省鄭州市北岡収集
石灰岩、彩色
高一七八・〇、幅六六・〇、奥行五六・〇
唐 八~九世紀
河南・鄭州市博物館
弥勒如来倚像と同じような形式の遺例で、光背・台座を含めてすべて一材から彫り出される。右手の肘を曲げて前方へ差し出し(手首から先を欠失)、左手を膝の上に置き、丈高い宣字形の台座に坐り、両足を三茎の蓮華の上にのせる。
頭部は、少し角張るが、頬には豊かな肉付けがほどこされる。頭髪を波状に表わし、伏し目がちの眼と眉は刻線で表現し、口辺と人中をくぼませて唇の厚さをきわだたせている。
体部は、胸・腹とも分厚く作られるものの、腕や足と同様、肉身の起伏にはあまり意を用いていない。上半身の衣文が凹溝になるのに対し、下半身では衣文の脇を彫りくぼめて衣文自体はロープ状に盛り上げて成形されている。背面には数条の衣文が刻出されるのみである。
厚みのある光背の前面には、化仏、比丘(ニ体)、飛天(ニ体)が浮彫され、蓮弁と火焔状の文様も表現されている。光背裏面は凸曲面になるが、その表面は粗削りのまま放置されている。
全体の形式は、唐時代(六一八~九〇七年)前半期の作例に通じるが、頭部の比率が小さく、肩辺りに左右で歪みがあることなど、造形に均衡を欠くきらいがあり、また、表情や衣文・光背・台座の意匠は、あまり類例をみないことなどから、ここでは唐時代後半期に降る制作ととらえた。光背や衣の一部に、朱・褐色などの彩色痕が認められる。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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