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降三世明王坐像 2009年1月23日更新
一九五九年 陝西省西安市電廠路安国寺址出土大理石、漆箔・彩色 高七六・〇、崎四五・〇、奥行三一・〇
唐 八世紀中頃
陝西・西安碑林博物館
降三世明王は、密教の五大明王の内の一尊で、東方に配置されることが多く、三世つまり貧(むさぼり)瞋(いかり)・痴(おろかさ)を降し伏せる役目を持つことに名前が出来する。密教では重要な役割を担っているが、現存する彫刻遺品は、日本を含めてみても数少なく、唐時代(六一八~九〇七年)の単独像の遺品では、これまでのところ本像が唯一のものであろう。
火焔がなびく形の光背(向って右上の一部を欠失)を負い、岩座の上に片足を投げ出すようにして坐る。三目三面八臂で、目を剥いた忿相をし、胸前で両手を交差させて、双方の小指を絡ませる。右側(向って左)の残りの三手で、金剛杵・宝剣・宝箭(矢)を持ち、左側(向って右)の三手(中央の手先は欠失)に、三叉戟(みつまたの武器)羂索(五色線を撚ったなわ)をとる。頭上に化仏をいただくのは、降三世明王の図像にあっては、類を見ない。馬頭観音菩薩坐像に比べると、手足の肉付けが少なく、偏平なきらいがあり、造形上、いささか見劣りすることは否めないものの、生動感ある顔貌表現などには、同時代性が示されている。各所に、藍・朱などの彩色痕と金箔片がみえる。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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