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多足硯 2009年1月29日更新
一九九二年 陝西省長安県収集
白磁
高9.0、口径24.0、底径29.0
唐 八世紀
陝西・西安碑林博物館
獣足形の多数の足で飾られた硯の一種。上面中央の円形部で墨をすり、その周りの溝に墨液をためる仕組みである。表面には墨痕が残り、実際に使用されたものであることがわかる。
足は、いずれも型抜きになり、それらを硯面の側面周囲に貼り付け、下に円形の帯状部を基台として取り付けている。灰白色の胎上の上に白化粧をほどこし、さらに緑色がかった透明釉を、円形のすり面を除いた内外の全面にかける。
類品も少なからず知られているが、それらの中では非常に大形の部類に属し、筆にたっぷりと墨をしみ込ませて大書するのに適う作りといえよう。ちなみに、正倉院宝物の中に、八世紀はじめ頃の墨の実物が伝来し、当時、すでに固形の墨が普及していたと推測される。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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