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妹至帖 2009年3月8日更新
王羲之筆
一幅
紙本搨摸
縦25.3 横5.3
唐時代・七~八世紀摸
昭和四十八年(一九七三)に初めて世に公開された「妹至帖」は、さる大名家伝来の手鑑の中から発見された。手鑑とは、歴代の名筆を数行に切りとり、冊頁に収め、鑑定案が古筆を鑑定する際の比較資料としたものである。そのため、「妹至帖」もわずか二行十七文字に裁断されているが、「喪乱帖」「孔侍中帖」と同様の紙、同様の技法を用いた王羲之(三〇三~三六一)の書の搨摸本である。源高明(九一四~九八二)『西宮記』に、醍醐天皇(八八五~九三〇)の遺愛品の中には、楽毅論・蘭亭序・羸等の三巻があったとする記載がある。『西宮記』の記載がこの妹味至帖を指すとすると、妹至帖もあるいは「喪乱帖」「孔侍中帖」と同様、おそらくは奈良時代に舶載された王羲之帖の一つであったと考えられる。手鑑の中に収められていたためか、保存の状態は良好で、搨摸の技術を探る上でも貴重である。また中国の歴代の著録にこの文章はみられず、王羲之研究の新資料として重要なものである。出所:書の至宝-日本と中国2006
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