考古用語辞典 A-Words

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草書孝経巻 2009年3月10日更新

草書孝経巻
【和:そうしょこうきょうかん
【中:Cao shu xiao jing juan
隋・唐・五代|彫刻・書画|>草書孝経巻

賀知章
一巻
紙本墨書
縦26.0 全長265.1
唐時代・七―八世紀
東京・宮内庁三の丸尚蔵館
「今文孝経」の本文を草書で百四十行に書写した書巻である。署名はないが、巻末に小楷で「建隆二年(九六一)冬十月重粘表 賀監墨跡」の識語がある。宋の内府に収蔵されていた書画を記録する『宣和書譜」には、賀知章(六五九―七四四)の草書十二本のうち、草書孝経二本があったという。本巻は収蔵印の痕跡などから、宋の内府に収蔵され、賀知章の書と鑑定された一本と考えられる。  明末清初の顧復の『平生壮観』や呉其貞の『書画記』によると、当時は別に「今文孝経」の序文のみが流伝していたと記載する。おそらくこの書巻は、本来「今文孝経」の序文と本文を書写したが、いつしか分割されて、本文のみが日本に将来されることとなろたのであろう。  十七世紀の後半、徳川綱吉の頃長崎に舶載され、一書費が入手したのち、伊藤仁斎(一六二七-一七〇五)、伊藤東涯(一六七〇-一七三六)の目暗するところとなった。その後、近衛家煕(一六六七-一七三六)の所有になったと推測されており、明治十一年(一八七八)に近衛家から帝室に献上され、現在は宮内庁一二の丸尚蔵館に保管されている。もとより賀知章の書と断定はできないものの、さまざまな状況から作者を賀知章とする伝承は信憑性の高いもので、即座にこれを否定することはできない。鋒先を利かせた確かな用筆と、縦逸な筆致は、まぎれもない唐人の真跡として貴重である。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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