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伊都内親王願文 2009年3月13日更新
【和:いとないしんのうがんもん】 |
【中:Yi du nei qing wang yuan wen】 |
彫刻・書画|>伊都内親王願文 |
伝橘逸勢筆 一巻
紙本墨書
縦二九・七 全長三四〇・九
平安時代・天長十年(八三三)
御物
天長十年九月二十一日、桓武天皇の第八皇女で阿保親王の妃となった伊都内親王(在原業平の母・?~八六一)が生母藤原平子の遺志を受けて、山階寺(現在の興福寺)東院西堂に香燈と読経料として墾田十六町余、荘一処、畠一町を寄進されたときの願文である。平子の両親の追善とその一族の安穏と繁栄を祈願したものである。
この筆者は、江戸時代初期の能書藤木敦直が鑑定して以来、三筆の一人橘逸勢(?―八四二)の筆と伝えられる。阿保親王と能書橘逸勢との交友を結びつけたもので、確証はない。楷書・行書・草書の各書体を巧みに交用し、奔放自在に筆を運んだ格調の高い書風である。筆者を特定することはできないが、その力量を偲ぶ名筆で、当代一流の能書の手になる平安時代初期の伝存稀な願文として貴重である。
巻末に小さく加えられた「伊都」の二字は、本文と書風を異にしており内親王の自筆署名と考えられる。二十五の手印もその願意を強調するために捺されたもので、内親王自身のものと推定される。もと、興福寺の門跡一乗院に伝来し、明治十七年(一八八四)に還俗して水谷川家を興した忠麿から宮中に献上されたもの。出所:書の至宝-日本と中国2006
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