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十五番歌合 2009年3月16日更新
【和:じゅうごばんうたあわせ】 |
【中:Shi wu fan ge he】 |
彫刻・書画|>十五番歌合 |
藤原伊房筆
一巻
彩箋墨書
縦二五・三 全長五三二・〇
平安時代・十一世紀
東京・前田育徳会
『十五番歌合』は、柿本人麻呂、山部赤人をはじめとする名家三十人の歌を一首ずつ撰び、左右に分けて優劣を論じたもので、藤原公任(九六六―一〇四一)の撰とされている。『後拾遺和歌集』の序に「また十あまり五つがひの歌を合せて世に伝へたり」とあるのは、このことを持していると考えられている。
本巻は、蠟箋や雲母刷りの型文様のある料紙計二十二枚を継いだ巻子装で、うち七番紀友則から十一番斎宮女御に至る八紙分がオリジナルである。 一首を四行あてに書写しており、その書法は独草体の大ぶりな草仮名で、万葉仮名を多く用い、仮名発達の過程をうかがう上に貴重な資料である。また料紙も、藤原行成(九七二―一〇二七)筆と伝える陽明文庫の「倭漢抄(近衛本和漢朗詠集)」に用いられている蠟箋や雲母刷りの型文様と同種のものが大半を占めている。筆者を藤原公任と伝えるが、同筆に「万葉集巻第九残巻(藍紙本))」「唐紙本和漢朗詠集」などがあり、藤原伊房(一〇三〇―九六)と思われる。平安時代中期の古雅な書法を示す歌合の古写本として、きわめて価値の高い作品であるといえる。また、巻首、巻に、巻中の十三紙分(二十二首)は後補であって、その筆者は江戸時代の中院通村(一五八八~一六五三)と伝えられている.料紙は、江戸時代に復古的に制作された華麗な唐紙で、当時の装飾紙の技法のあり方が知られて注目される。
出所:書の至宝-日本と中国2006
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