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倭漢抄(近衛本和漢朗詠集) 2009年3月16日更新
【和:わかんしょう】 |
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彫刻・書画|>倭漢抄(近衛本和漢朗詠集) |
二巻
彩箋墨書
[第一巻]縦二五・六 全長六三三・○
[第二巻]縦二五・六 全長六二〇・○
平安時代・十一世紀
京都・陽明文庫
この「倭漢抄」は、もとは上下巻ようなる調度手本であったと思われるが、上巻は早くに散逸し、その断簡が大阪・藤田美術館などに所蔵される。本巻は、その下巻に相当し、二巻で構成される。料紙は、白・薄黄・縹・橙・朽葉などの具引地に、獅子二重丸唐草文・双鳳凰唐草文・通草唐草文・花襷文・亀甲繋文・合生唐草文などの型文様を、雲母刷り、蠟箋によってあらわした色変わりの舶載の美しい唐紙を用いている。第一、二巻とも各三十二枚を継いでおり、型文様は二十二種に分けられるが、同種のものが「十五番歌合」をはじめ、「粘葉本和漢朗詠集」「古今和歌集(巻子本)」「本阿弥切」などにみられる。
全巻一筆で、漢字は行書体にときおり楷書体をまじえ、仮名は端正な字形で格調高く、温雅で暢達した筆致で、美麗な料紙とよく調和している。同筆に「粘葉本和漢朗詠集」「元暦校本万葉集巻第一」「古今和歌集(高野切本)」(第三種)などがある。書風は比較的大振りで、行成様を示しているが、それよりも少し降った十一世紀中頃に活躍した藤原公経(?―一〇五一~九九)の等とする前が有力である。数箇所にわたって本文に脱落のあるのが惜しまれるが、『和漢朗詠集』の伝本中、とくに注目すべき平安時代屈指の遺品である。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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